最高人民会議

最高人民会議について

最高人民会議（さいこうじんみんかいぎ、朝鮮語: 최고인민회의）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の立法府で、同国の全ての権限を統括する最上級機関です。その成立は、北[[朝鮮人民委員会]]の主権機関であった北朝鮮人民会議を前身としており、共和国の建国に伴い発展しました。

概要

最高人民会議は一院制を採用し、代議員会議は平壌の万寿台議事堂で行われます。憲法に明記された「最高主権機関」として、立法に加えて行政や司法も朝鮮労働党の指導のもとにあります。共和国公民は、最高人民会議及び地方各級人民会議を通じて主権を行使できるとされています。

主な権限には、常任委員会や国務委員会の委員の選出、内閣総理や閣僚の任免、中央裁判所や中央検察所の所長の任免、憲法の修正や法律の制定、国家予算の決定が含まれます。常任委員会は最高人民会議の閉会中に機能し、重要な行政事務を執行する役割を果たします。

国務委員会との関係

国務委員会は、2016年6月までは国防委員会として知られ、最高人民会議や内閣とは別の機関として位置付けられています。これらの役職は最高人民会議によって選ばれ、職務上、その責任を果たすことが求められます。国防委員会の設置があった際には、金正恩が特定の選挙区から代議員に選出されたこともあります。2019年の国務委員会への組織改編以降、金正恩が当選者名簿に載らなかったことに疑問視する声も上がりました。

政党と議会の機能

最高人民会議は実質的には支配政党である朝鮮労働党の意向を反映し、民意の名目でその決定を追認する役割を担っています。このため、西側諸国からは「ラバースタンプ型議会」と揶揄されることがあります。

建国以来の議会は当初のソ連スタイルをもとに一院制を導入したものであり、その後も指導体制はソ連体制の影響を受けています。特に、朝鮮労働党の党大会が長らく開催されておらず、最高人民会議が国家の意志を表明する主要な場となっています。

選挙制度

選挙は5年ごとに行われますが、その開催は指導者の意向に大きく左右されます。選挙は強制的な信任投票の形を取り、実際には朝鮮労働党中央委員会によって選ばれた候補者が立候補するため、代議員は事実上の信任投票を行うことになります。なお、選挙区は全国で600～700分けられており、選挙権は数え年17歳以上の公民に与えられます。

選挙プロセス

有権者は、特定の選挙区において選出され、国家安全保衛部などの監視のもと投票を行います。投票用紙にはあらかじめ候補者名がスタンプされており、賛成はそのまま投票、反対のみ記入する形式です。反対票を投じた場合、即座に逮捕されるリスクがあります。

結果は中央選挙委員会によって集計され、報告が行われる形式です。報道では投票率と賛成率が100%近い数値で公表され、実際には承認された候補者の当選が知らされます。

まとめ

最高人民会議は、名目上は北朝鮮の最上級立法機関でありながらも、実際の運営は朝鮮労働党が強く影響し、形式的な機構としての一面を持っています。選挙プロセスは厳格に管理されており、反対意見は許されない状況が続いています。

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