原實

原實について

原實（はら みのる）、1930年9月9日生まれの日本のインド古典学者は、2021年11月1日に逝去しました。彼は東京大学の名誉教授であり、日本学士院の会員として、学術界に多大な貢献を果たしました。また、スウェーデン・アカデミーの外国人会員としても活動していました。原氏は1966年にハーバード大学大学院でサンスクリット学を専攻し、博士号（Ph.D）を取得し、1978年にはケンブリッジ大学から修士号を授与されました。

経歴

原實は東京で生まれ、1953年に東京大学文学部の印度哲学科に入学し、同大学院で辻直四郎の指導を受けました。1960年には博士後期課程を満期で退学し、東京大学文学部に専任講師として就任しました。1964年には助教授、1973年にはオーストラリア国立大学の客員教授を務め、1975年からは東京大学の教授として昇進しました。1991年に定年退官を迎え、その後は名誉教授としての地位を獲得します。

退職後は、国際仏教学大学院大学の教授に就任し、1996年から2002年には同大学の学長、さらには理事長に就任し、2006年にその職を退きました。また、慶應義塾大学の言語文化研究所で客員所員としても活動していました。

栄誉・栄典

原實は、その業績により、多くの栄誉を受けました。2009年にはインド政府からパドマ・ブーシャン勲章を受章し、2021年12月には追贈として叙従四位と勲瑞宝中綬章が与えられました。また、1978年にはケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジより海外フェローに選ばれ、1990年にはスウェーデン・アカデミーの外国人会員に選出されました。2000年には日本学士院にはいり、2003年には宮中講書始の儀で「サンスクリット語について」の講演を行いました。

著書と研究内容

原實は学術的な著作を数多く残しており、単著としては『古典インドの苦行』（1979年）、『Pāśupata studies』（2003年）、『古代インドの環境論』（2010年）が挙げられます。また、共著や翻訳も手掛けており、1974年には『ブッダ・チャリタ（仏陀の生涯）』の翻訳も行っています。彼の研究は、古代インドの哲学や環境論、宗教に関する深い理解をもたらしました。

最後に

原實の研究と教育への貢献は、インド古典学の発展に寄与し、多くの後進に影響を与えました。彼の偉業は、今後も学問の中で語り継がれることでしょう。

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