原敕晁

原 敕晁について

原 敕晁（はら ただあき、1936年8月10日生まれ）は、北朝鮮によって拉致された日本人の一人であり、政府に認定された拉致被害者です。彼は特に辛光洙事件に関与しており、北朝鮮の工作員の手によって拉致されました。具体的には、工作員がタダアキに成りすますための「背乗り拉致」の手法を用いており、これが今もなお多くの人々に衝撃を与えています。

生い立ちと家族

原は長崎県長崎市に生まれ、幼少期は島根県松江市で過ごしました。家族は物品販売業を営み、彼には2人の兄がいました。長崎商業高等学校に通っていましたが、17歳の時に調理師を目指し、高校を中退。大阪でコックとして働き始めました。彼が帰郷したのは1977年のことで、当時彼の兄は料理屋の開業を勧めましたが、これが兄弟で会った最後の機会となりました。

拉致の経緯

原は1980年4月、仕事場である大阪市生野区の中華料理店で拉致されました。当時43歳で独身だった原は、拉致の計画に利用されることに。北朝鮮の工作員である辛光洙は、厳格な条件をもとに原を狙い、李三俊という在日朝鮮人に仕向けました。辛は、貿易会社の面接を振りかざして原を誘導し、最終的には宮崎市へと移動することになります。

2020年6月、青島海岸で待機していた他の工作員とともに拉致は実行されました。原は抵抗しようとしましたが、工作員に捕らえられ、北朝鮮の船に乗せられました。

背乗りによる成りすまし

北朝鮮に到着した辛光洙は、原から個人情報を聞き出し、5か月後に再び日本に密入国しました。辛は原の名前を利用し、各種の公式文書をを取得し、日本人として生活をし始めたのです。この行動により、辛は金正日からの任務を続行し、日本で平然と生活できる環境を整えました。辛は、1982年から1985年までに7回の国外への旅を繰り返しました。

拉致の発覚と家族の反応

1985年に、辛光洙は韓国に潜入し、逮捕されました。この逮捕により原敕晁の拉致が発覚。彼の兄、原耕一はあまりの驚きに、政府やメディアに助けを求めましたが、当初は何も反応がありませんでした。この事件は徐々に世間の注目を集め、1998年には日本国会で取り上げられることになります。

国会では、北朝鮮の拉致問題を深く掘り下げるようになり、辛光洙事件も重要な議題となりました。だが、拉致という酷い現実に対して多くのメディアは沈黙を守り続けました。

家族の活動と安否情報

原耕一は1997年に「北朝鮮による拉致[[被害者家族連絡会]]」を結成し、家族の思いを結集しました。2002年に小泉内閣総理大臣が訪朝した際に、当時拉致が事実であるという情報が提供されましたが、原の安否についての情報は依然として不明です。報道によれば、原の名前を取り扱う北朝鮮の情報は、実際には誤って伝えられたものである可能性が高く、彼が最終的にどのような状況にあったのかは不透明です。

現在も原敕晁の家族は彼の無事を願い続け、北朝鮮に関連する事件が知らせる度に、彼の行方についての期待がよみがえります。

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