原水爆禁止日本協議会

原水爆禁止日本協議会について

原水爆禁止日本協議会、通称原水協は、1955年に設立された日本の代表的な反核・平和活動団体です。この団体は、日本国内の都道府県や地域、さらには労働組合内において多くの下部組織を持ち、各組織は「原水爆禁止○○協議会」という正式名称で知られています。原水協は一般社団[[法人]]であり、法人格としては2017年に有限会社から一般社団[[法人]]に移行しました。

結成の背景と歴史

原水協の設立にはあるきっかけがありました。1954年、アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験により、日本の漁船が被爆した事件が広く知られています。この事件を受けて、1955年8月6日に広島市で行われた「第1回原水爆禁止世界大会」で原水協が誕生しました。この大会は多くの署名が集まり、449万人が参加する全国的な運動として位置づけられました。

初代理事長には、活動の先駆者である安井郁が選ばれました。しかし、原水協は設立当初から保守派と革新派の意見対立が見られ、特に日本社会党と自由民主党の関係が複雑でありました。共産党や社会党系の団体の幹部が役員に多く関与したことが、争いや分裂の種になりました。

分裂と運動の変遷

1959年には、自民党が原水協を政治的に敵視し、運動への補助金を停止するなどの圧力がかかります。これに対抗する形で活動を続けるも、地域の労組や政党との対立が激化し、1961年には社会党系が原水協から離脱し、核兵器禁止平和建設国民会議を設立しました。このように、原水協は様々な対立を経て、運動が分裂していきました。

特に1965年には、日本共産党系団体が中心となって運動を続けることになり、その後は共産党の指導を受ける団体となりました。運動の進展とともに他の団体とも分かれることになり、原水協系と原水禁系の二つの流派に分かれました。

平和運動の当代

近年では、福島第一原子力発電所事故を契機に、原発への態度が転換され、原発の全面的な撤廃と自然エネルギーへの移行が主張されるようになりました。また、核兵器禁止条約の成立を求めた国際的な運動にも参加し、核兵器廃絶を目指す活動を強化しています。

原水協の代表理事には、2023年10月時点で太田義郎、米山淳子など様々な背景を持つ方々が名を連ねており、今日でも日本国内外での運動を牽引しています。このように、原水協は核兵器廃絶と平和のための活動を続け、運動の理念や方針が変わりながらも根強い支持を受けているのです。

まとめ

原水爆禁止日本協議会は、日本における核兵器廃絶運動の重要な存在であり、その歴史や運動の変化には多くの教訓が含まれています。国際的な核軍縮に向けた努力はこれからも続いていくでしょうし、原水協の活動が示すように、平和と安全の実現に向けては国際的な協力が不可欠であることを忘れてはなりません。

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