原田ウイルス

原田ウイルスとは

原田ウイルスは、主にファイル共有ソフトウェアを介して広がるコンピュータウイルスで、特にWinnyやShareにおいて感染することで知られています。このウイルスは、ファイル共有ソフトだけでなく、他のアップローダでも確認されることがあります。ウイルスに感染すると「原田」と名乗る人物の画像が画面に表示されることが特徴です。この「原田」はウイルスの開発者ではなく、あくまでシンボル的存在です。

特徴と亜種について

原田ウイルスは、特殊なソフトウェアを用いることで比較的簡単に作成できるため、初心者でも容易に作成できることが実情です。このため、原田ウイルスの亜種は100種類を超えるとも言われ、その振る舞いも多様です。駆除方法も亜種ごとに異なるため、対応が難しい場合があります。

中でも「原田ウイルスMk-II」は、その後継亜種とされ、2007年の初め頃に登場しました。この亜種が登場する以前には、山田ウイルスという別のウイルスが広がっていたため、同系統であるとの見方もありましたが、原田ウイルスと山田ウイルスは実際には別物であるとされています。

感染症状

原田ウイルスやその亜種による感染症状はさまざまですが、ここでは代表的なものを紹介します。

原田ウイルスの症状

原田ウイルスに感染すると、最初に「原田」と名乗る男性の画像が画面に現れます。その後、AVIFilesがダウンロードフォルダ内で全て削除されるという報告があります。最近ではAVI形式以外のファイルも削除対象に含まれることが増えています。そして、最悪の場合、デスクトップ画面をキャプチャし、外部に転送される可能性もあります。さらに、Webサーバが立てられ、ハードディスクの内容が外部から覗かれるとの噂もありますが、その実態は未だ確認されていません。

原田ウイルスMk-IIの症状

Mk-II亜種では、感染するとやはり「原田」と名乗る画像が現れますが、ウイルスが実行されると、ファイルがJPEG形式の原田画像に置き換えられたり、Program Filesフォルダ内のファイルが削除されることがあります。感染した際には、すぐに電源を落とすことが被害を最小限に抑える手段とされています。さらに、ウイルス本体が「HARADAMk-II.SCR」にリネームされるため、誤って再度このファイルを実行すると再感染の恐れがあります。操作に際しては、Winny.iniが改変されることが多く、system volume informationにも寄生するため、徹底的な駆除が求められます。

原田動画

原田ウイルスからインスパイアされた「原田動画」も存在します。これは実際に数秒間「原田」と名乗る男性が映っているAVI形式の映像で、声が加工されたような「眠れ悪魔どもよ」というセリフが特徴です。これに関しては、特段のデータ破壊やプライバシー侵害は確認されていませんが、ドッキリの要素を含むもので、ウイルスの感染とは異なります。

作成者と法的問題

このウイルスの作成者は、大阪電気通信大学に在籍していた男性で、2008年1月に京都府警に逮捕されました。著作権侵害と名誉毀損の罪で懲役2年、執行猶予3年の判決を受けましたが、猶予期間中にイカタコウイルスを作成し再逮捕されました。その後、2011年には実刑判決が下され、最終的に懲役2年4か月が言い渡されました。

まとめ

原田ウイルスは、その多様性と感染の容易さから注意が必要です。特にファイル共有ソフトを使用する際には、ウイルスの感染や不正アクセスのリスクを十分に理解し、セキュリティ対策を講じることが求められます。

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