原田孝一

原田孝一 (はらだ こういち)

原田孝一は1928年6月15日、熊本県で生まれた元プロ野球選手である。ポジションは投手として知られ、多くのファンに愛された選手であった。2019年12月24日、慢性心不全により91歳で亡くなった。

来歴・人物

原田は熊本商業高等学校でエースとして活躍し、1947年の春季選抜高校野球大会に出場した。初戦では強豪の広島商業を相手に勝利を収め、「田舎の高校生が甲子園でプレーする」という特別な経験を味わったという。しかし、2回戦に進むも徳島商業に敗れた。その後、同年夏には熊本県予選直前に海軍予科練の復員後の在学期間認定問題により出場を果たせない事態が発生した。

1948年春、九州高校野球大会の決勝で当時二連覇中の小倉中の福嶋一雄と投げ合い、延長17回にわたる接戦の末に熊本商業が勝利をつかんだ。この試合の結果は熊本市内の映画館でも特別ニュースとして扱われた。

1949年、原田は阪急ブレーブスに入団し、プロの道を歩んだ。1950年にはキャリア初の勝利を挙げ、1952年には9勝を記録。1954年には自己最高の15勝を達成し、打撃面でも通算打率.203、4本塁打、23打点の成績を残した。特に、自らのサヨナラホームランや3者連続三塁打の記録は今もなおNPBの名記録として残っている。

1959年には南海ホークスに移籍したが、登板機会はなく、同年限りで現役を引退した。原田の投球スタイルはオーバースローフォームからの剛球やカーブ、ドロップ、シュートで知られ、その独特なフォームは多くの若手投手に影響を与えた。引退後はセ・リーグのプロ野球審判員としても活動し、審判としてのキャリアも築いた。

その後、原田は兵庫県西宮市で「季節料理 はらだ」を経営し、2010年に引退するまで多くの客に愛されるお店を続けた。原田の妻も宝塚歌劇団の出身であり、家庭においても充実した人生を送った。彼の父母や家族からの支えがあったことは間違いない。彼の生涯は、スポーツ界での成功もさることながら、プライベートでの温かな日々に彩られていた。

2019年に原田は、長い人生を全うし、多くの人々にその存在を惜しまれながらこの世を去った。彼の遺した記録と影響は今も日本の野球界に息づいている。

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