原田泰

原田 泰（はらだ ゆたか）

原田泰は、1950年9月1日生まれの日本の経済学者であり、現在名古屋商科大学ビジネススクールの教授として教育に携わっている。また、日本銀行政策委員会の審議委員や早稲田大学政治経済学術院公共経営研究科の教授を歴任し、さらに大和総研ではチーフエコノミストとしての役割を果たしてきました。彼の学問的背景は、学習院大学での経済学博士号取得を含む多様な学歴に裏付けられています。特に、彼は経済政策に焦点を当てて研究を行っており、デフレや円高に関するスタンスが注目されています。また、リフレ派の一員として知られ、バブル崩壊以降の日本銀行の金融政策に対して批判的な意見を示してきました。

来歴

原田は東京都出身で、1974年に東京大学農学部を卒業した後、1979年にはハワイ大学で経済学の修士号を取得しました。その後、彼は経済企画庁に入庁し、外務省に出向した経験も持ちます。彼は、国民生活調査課長や海外調査課長を経て、財務省財務総合政策研究所次長など、高位のポジションを歴任しました。経済白書の執筆にも携わったことで、『企画庁の文豪』と称されるほどの影響力を持っていました。2004年には内閣府を退官し、大和総研に勤務。その後、早稲田大学に特任教授として就任し、近年では日本銀行政策委員会の審議委員を務めました。

主な業績と受賞歴

彼は2004年に第47回日経・経済図書文化賞を受賞し、2008年には石橋湛山賞を獲得しています。また、彼の著作は多数あり、経済政策や日本経済の歴史に関する幅広いテーマを扱っています。特に、『昭和恐慌の研究』は注目を集め、共著者と共に日経・経済図書文化賞を受賞しました。

意見と主張

原田は日本の経済においてデフレと円高の影響を重要視しており、金融政策によりこれらの課題を克服する必要があると主張しています。また、雇用と賃金に関しては、増税や金融引き締めが無用なショックを与えないこと、格差を助長しない対策を講じることが重要であると考えています。彼は、若者の格差問題を景気低迷の結果であるとし、景気が回復することで解決できると信じています。消費税政策については、財政赤字を削減する必要性を強調し、特に高齢者への社会保障支出を見直す必要性を提言しています。

「財政赤字を消費増税によって賄おうという議論は良いが、増税分を社会保障に回すとの考えは根本的に間違っている」と語っています。

環境問題では、CO2削減が重要であれば、国内での努力だけではなく他国への技術協力が必要とも述べています。原子力発電に関しては、その経済性について疑問を呈し、特に福島の事故後にはより慎重な姿勢が求められるとしています。

原田の考え方は、日本経済の未来を方向付ける上で欠かせない視点を提供しており、彼の政策提言と経済分析は今後も注目されるでしょう。彼は、経済の元におけるデフレや景気低迷に真正面から立ち向かい、常に新たな考察を提供するその姿勢で、多くの人々に影響を与えています。

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