原聰

原聰（はら さとし）氏は、1947年生まれの日本の外交官です。熊本県大津町出身で、熊本県立熊本高等学校を経て京都大学法学部を卒業後、1970年に外務省に入省しました。外交官としてのキャリアをスタートさせた原氏は、イギリスに留学し、オックスフォード大学クライストチャーチ・カレッジを修了しています。

外務省本省では、中国課首席事務官、安全保障政策室長、西欧第二課長などを歴任し、在外公館ではマレーシア、英国、クウェート、カナダ、南アフリカ共和国の各日本大使館に勤務しました。これらの勤務を通じて、国際情勢に対する深い見識と外交手腕を磨きました。

1996年にはOECD（経済協力開発機構）東京センター所長に就任し、国際的な経済協力にも貢献しました。その後、1999年にはトロント総領事を務め、2001年にはブルネイ駐箚特命全権大使に任命され、大使としてのキャリアをスタートさせました。2003年には衆議院外務調査室長・常任委員会専門委員として、国会における外交政策の立案にも関与しました。

2005年にはポルトガル駐箚特命全権大使に任命され、2008年には特命全権大使（関西担当）として、地域外交にも力を注ぎました。2009年には海洋研究開発機構国際審議役を務め、2011年から2021年まで京都外国語大学外国語学部国際教養学科の客員教授として、後進の育成にも貢献しました。2021年には、長年の功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

原氏は、公益財団法人日本国際フォーラムの参与も務め、国際社会における日本の役割を積極的に提言しています。著書には、『日本人の価値観』（かまくら春秋社, 2013年）や『Fall Seven Times, Get Up Eight　－Aspects of Japanese Values－』（2020年　Gilgamesh Publishing社, London, UK）があり、日本人の価値観や文化に関する深い洞察を示しています。

同期には、西田恒夫（元国連大使、元駐カナダ大使）、安藤裕康（元国際交流基金理事長、元駐伊大使）、上野景文（杏林大学客員教授、元駐バチカン大使）、大木正充（元駐アゼルバイジャン兼グルジア大使、元駐クウェート大使）、小溝泰義（元広島平和文化センター理事長、元駐クウェート大使）など、多数の著名な外交官がいます。彼らと共に、日本の外交を支えてきました。

原聰氏は、その豊富な経験と国際的な視野を活かし、日本の外交と国際交流に多大な貢献をしてきた人物であると言えるでしょう。その活動は、今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

外部リンク
原　　聰　大使（2005年10月～2008年9月）（在ポルトガル日本国大使館ホームページ）
人吉市 原 聰（人吉市ホームページ）

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