原馬室橋

原馬室橋（はらまむろばし）の概要

埼玉県鴻巣市の原馬室地区に位置する原馬室橋は、荒川に架かる冠水橋です。正式には鴻巣市道D-130号線の一部として、地域の農地と生活道路をつなぐ重要な架け橋となっています。この橋は河川の改修によって、ある地域の堤外農地へのアクセスを可能にする役割を果たしています。

橋の構造

原馬室橋は、荒川の河口から60.4 kmの地点にあり、全長56.2メートル、幅3.3メートルの4径間のプレキャストコンクリート（PC）による構造です。その特徴として、上部工（橋桁）および桁受けにはコンクリートが使用され、下部工（橋脚）には鋼管パイプが選ばれています。橋脚はシンプルなデザインを取り入れており、流木を防ぐための鉄製の大きな構造物が上流側に設置されています。

通行に関しては、幅員や重量に制限があり、幅2.1メートルと2トンの重量制限が設けられています。また狭い道幅のため、片側交互通行となります。

歴史的背景

原馬室橋の歴史は昭和初期にさかのぼります。1920年代より行われた荒川の河川改修により、現在の橋が位置する地点が新たに開削されたため、元々は異なる流路が存在していました。初期には仮橋が架けられ、流れの変化に適応する形で橋の建設が進められました。

1957年に初代の冠水橋が完成しましたが、僅か数年後の1965年には洪水で流失しました。その後、1966年に再度架け替えが行われ、木桁構造の橋が設置されました。この橋も台風により流失し、2002年に現在のコンクリート製の橋が建設されることとなりました。

近隣とイベント

原馬室橋の周辺は農地が広がり、特に春には「ポピー・ハッピースクエア」というイベントが開催され、地域住民や観光客が訪れる人気のスポットとなっています。橋の近くには水神宮や冠水橋架設記念碑も設けられており、地域の文化や歴史を感じる場所でもあります。

近くの名所

橋の周辺には鴻巣市立馬室小学校や中学校、さらに歴史的な寺院や埴輪窯跡も存在しており、観光名所としても知られています。また、近隣には荒川横堤もあり、多様な自然景観を楽しむことができます。

このように、原馬室橋はただの交通手段にとどまらず、地域の歴史や文化に密接に関わる大切な存在となっています。

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