及川マツノ

及川マツノの生涯

及川マツノ（おいかわ マツノ）は、1889年2月20日に岩手県大船渡市で生まれました。彼女は、2002年1月3日に112歳という長寿を全うし、その生涯の中で特に長寿日本一として知られていました。高齢ながらも、彼女は活発な生活を送り、長生きの秘訣とも言われる独自の生活スタイルを持っていました。

幼少期と家族

大船渡市で育った及川は、1918年から自身の家で旅館業を始めました。彼女は夫の利三郎との間に一男二女を授かりましたが、利三郎が亡くなると、彼女は一人で子供たちを育て上げました。これらの経験が、彼女の強さと逞しさを培ったのでしょう。

長寿の秘訣

1999年に110歳を迎えた及川は、当時東北地方で最も高齢者とされ、全国でも4番目となる長寿者でした。同年の9月には特別な祝賀イベントが開かれ、親族や地域の人々が集まり、彼女の長寿を祝いました。また、その際に贈られた銀杯には「鶴」の模様があしらわれており、長寿を象徴する品となりました。

与えられた祝福の中、及川は109歳の頃に風邪を引いたものの、その後も元気に過ごしました。毎朝7時に起床し、夜9時には眠るという規則正しい生活を送っていました。2000年12月には入れ歯が原因で一時的に呼吸停止する事態が起きましたが、幸いにも回復を果たしました。

榮光と表彰

2001年8月、及川は日本一の長寿者として知られるようになり、特に親族からは祝福される機会が多かったようです。9月には親族が集まり、梅酒で乾杯する祝宴が行われ、彼女もまたその喜びに満ちた様子を見せていました。さらに、同年11月には大船渡市から特別表彰を受け、地域社会からの愛されている姿が浮かぶようです。

晩年と死去

及川マツノは、晩年には長男夫婦と共に暮らしていました。彼女は、訪問者に対して座布団を用意するよう家族に指示するなど、常に気配りを忘れない人物でもありました。また、彼女の好物であった梅酒は「健康の源」とも評され、彼女は体調を崩してもそれを欠かすことはありませんでした。医師からも「内臓は60代の若さ」と認められ、長寿に対する期待が寄せられていました。

2002年1月3日午前2時、心不全により自宅で静かに死去しました。その年齢は112歳であり、亡くなった当時は本郷かまとに次ぐ全国第2位の長寿者として報じられました。彼女の死後、2月には遺族が大船渡市に寄付金を贈り、その資金を基に「百十二基金」が設立されました。

最後に

及川マツノの生涯は、多くの人々にインスピレーションを与えてきました。3人の子ども、7人の孫、14人のひ孫と共に、彼女は家族に囲まれた幸せな日々を過ごしていたことでしょう。敬老の日には、家族が集まり彼女の長寿を祝うなど、家族との絆を大切にしていたことが伺えます。及川の長寿の秘訣は、愛情深い家庭や健康的な生活スタイル、そして彼女自身の強さにあったのかもしれません。

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