友枝高彦

友枝 高彦（ともえだ たかひこ）

友枝高彦は、1876年11月4日に日本の福岡県上毛郡大村（現在の豊前市大村）で生まれた倫理学者である。彼は1957年7月7日に亡くなるまで、日本の倫理学と教育界において重要な役割を果たしてきた。

経歴

友枝は、豊津中学校、そして第五高等学校を卒業後、1901年に東京帝国大学文科大学哲学科に入学した。大学を卒業した後、さらに大学院で学び続けた。彼の学問的なキャリアは、1908年に京都帝国大学の助教授に就任することで始まっている。倫理学の研究を目的として、彼は英国、米国、ドイツに留学し、その後1914年には帰国して東京高等師範学校の教授に就任した。

1916年には東京帝国大学でも教授としての役割を兼任し、さらに1929年には東京文理科大学の教授となり、日本女子大学でも教鞭を執った。1949年には教職を退くが、その後東京教育大学の名誉教授として名声を保った。戦後の1955年には、山梨県立臨時教員養成所の設立を受けて都留市立都留文科短期大学（都留短期大学）に初代学長として尽力することになる。

研究内容・業績

友枝の研究は、倫理学を中心に、社会学や教育学にまで及んでいる。彼は教育的な観点からの倫理観を重視し、その考え方を多くの著書で展開している。著作には、一般教育における倫理的な指導を目的とした『中学修身参考書』（1923年）や『女子修身』（1923年）、さらには『社会倫理学序説』（1935年）などがある。

彼の著書は多角的に倫理の見地から教育の重要性を啓発し、日本の教育界に新しい視点をもたらした。また、ナチス運動に関する研究も行い、その社会学的考察を通じて彼の幅広い研究対象が明らかになっている。さらに、彼は翻訳活動にも力を入れ、フランク・チルリーの『倫理学概論』をはじめ、トーマス・ヒル・グリーンの著作を日本語に訳すことで、海外の哲学思想を日本に紹介した。

著作リスト

友枝高彦は多くの著作を残しており、代表的なものには以下がある：

• - 『中学修身参考書』冨山房、1923年
• - 『女子修身』冨山房、1923年
• - 『中学修身』冨山房、1924年
• - 『師範修身』冨山房、1926年
• - 『ナチス運動の社会学的考察』日独文化協会、1933年
• - 『社会倫理学序説』建文館、1935年
• - 『実業修身』冨山房、1938年
• - 『日独文化交涉史の囘顧』教學局、1938年

結論

友枝高彦の功績は、日本の倫理学における重要な礎を築き、教育の場でも影響を与え続けている。彼の理念は、今なお多くの後進の研究者や教育者に引き継がれており、その影響は根強く残っている。彼の研究と教育に対する情熱は、倫理学の発展に大きく寄与したと言えるだろう。

もう一度検索