友永詔三

友永詔三について

友永詔三（ともなが あきみつ）は、1944年12月8日に高知県高岡郡窪川町で生まれた日本の造型作家です。彼は1979年から1982年にかけて放送されたNHKの人形劇『プリンプリン物語』の人形美術を担当したことでも知られています。この番組では、関節部分が球体で構成されている球体関節人形を用いており、自由度の高い動作が可能です。

経歴

友永は高知県立須崎工業高等学校を卒業後、専門学校東京デザイナー学院でインテリアデザインを学びました。1967年には東宝舞台美術部に入社し、同年、オーストラリアの人形劇団『Peter Scriven's Tintookies』のオーディションに合格します。この背景から彼は人形デザインについての研究に専念するために東宝舞台を辞め、オーストラリアに渡りました。1970年まで、ピーター・スクリベンやロシアのマリオネット美術家、イゴール・ヒチカから指導を受けました。

帰国後は東京デザイナー学院で講師を勤めつつ、芸術的なマリオネット劇の上演や美術、演出、人形制作に従事しました。1978年にNHKからのオーディションに応じて、『プリンプリン物語』での人形製作に取り掛かります。その番組を通じて、約500体以上の人形を製作し、高い評価を受けることとなりました。

活動とエピソード

友永は人形の制作だけでなく、舞台美術、木版画、木彫、ブロンズ像などさまざまな分野で作品を発表し続けています。彼の作品は国内各地の美術館で展示され、定期的な個展も行われています。現在はあきる野市にある深沢ちいさな美術館で自身の作品を常設展示しながら、了徳寺大学で非常勤講師として教鞭をとっています。

『プリンプリン物語』の制作では、友永が古代インドの叙事詩ラーマーヤナを元にしたプリンセス・プリンプリンの人形に独自の装飾を施し、本物の銀や天然のホロホロ鳥の羽を使用したことで、1体の制作にかなりのコストがかかっていました。このため、彼は映像がどのように映るかを確かめるため、高価なVHSデッキを購入し、制作したすべての回を録画し続けたというエピソードも存在します。番組のアーカイブにおいては、当初はマスターテープが215回分しか残っていなかったものの、彼の努力によって132回分が保存された経緯があります。

代表的な作品

友永の代表作には、人形劇『プリンプリン物語』の他に、多数のブロンズ像や木彫作品があります。

• - ブロンズ像:

- 道の駅あぐり窪川 - モニュメント『あぐりーな』
- 北青山・神宮外苑ビル - モニュメント『あ・もう』
- 東海大学菅生中学校 - モニュメント『森の調べ』
- 佳水郷（加賀市片山津温泉） - モニュメント『天に舞う少女』

• - 木彫:

- シルバーハイツ谷保（国立市） - 木彫彩色レリーフ『春の詩』
- 深沢小さな美術館 - 友永の人形や木彫、木版画を常設展示

書籍

友永は書籍の執筆も行っており、以下のような著作があります。

• - 『動く木彫人形 : マリオネットから球体関節の人形まで』
• - 『友永詔三人形作品集』
• - 『聖少女幻想 : 友永詔三作品集』

友永詔三は、その独創的な作品群や人形劇を通じて、日本の造型芸術に貢献し続けている重要な存在です。

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