双葉タクシー (島根県)

双葉タクシー

双葉タクシー（ふたばタクシー）は、島根県松江市にかつて存在したタクシー事業者です。主に松江市内を営業区域として活動しており、地域における重要な交通手段の一端を担っていました。その事業はタクシー運行に留まらず、松江市から委託を受けてコミュニティバスの運行業務も請け負っており、市民の生活を支える公共交通サービスにも貢献していました。

事業内容

同社の事業内容は、大きく分けて二つありました。

タクシー事業: 松江市域を主な営業範囲として、一般タクシーサービスを提供していました。
コミュニティバス運行受託: 松江市が運営するコミュニティバスのうち、特に八雲地区と八束地区の路線の運行を受託し、地域住民の移動手段を確保する役割を果たしていました。

かつての拠点

双葉タクシーは、その運営においていくつかの拠点を構えていました。晩年には本社を松江一畑交通と同じ場所に置き、島根県松江市上東川津町1238に位置していました。また、営業所から格下げされた待機所として、島根県松江市山代町の山代待機所（山代町238-6）と、島根県松江市東出雲町の出雲郷待機所（東出雲町出雲郷725-1）がありました。これらの拠点が、日常の運行を支える中心となっていました。

沿革

双葉タクシーの歴史は、1953年10月12日に有限会社三福タクシーとして設立されたことに始まります。その後、組織は変遷を遂げていきます。

1978年3月には、株式会社いずもが資本参加したことで一畑グループの傘下に入りました。この時点での株式会社いずもは、その後事業譲渡を経て休眠会社となり、最終的には株式会社ホテル一畑に吸収されていますが、双葉タクシーが一畑グループの一員となる重要な転機となりました。
1982年3月には、社名を双葉タクシー有限会社に変更します。
1996年1月には、組織形態を株式会社に変更し、双葉タクシー株式会社となります。
2002年4月には、双葉太陽交通株式会社と合併し、新たな双葉タクシー株式会社として体制を強化しました。
近年では、サービスの利便性向上にも積極的に取り組みました。2013年12月13日には、LINEのタクシー配車機能や、現在のJapanTaxiである全国タクシー配車アプリへの対応を開始しています。
2015年4月2日には、グループ内の再編の一環として、松江一畑交通、ミツワタクシーとの共同配車体制を導入。松江一畑交通の構内に一畑タクシーセンターを設置し、同時に本社もこの構内に移転しました。
* 2016年9月1日には、組織効率化のため、山代営業所と出雲郷営業所を廃止し、待機所へと機能変更を行いました。

そして、2019年4月1日、双葉タクシーは同じ一畑グループに属する松江一畑交通に吸収合併され、会社として解散しました。この合併により、同社の事業は松江一畑交通に引き継がれることとなりました。

一畑グループとの関連

双葉タクシーは、解散まで一貫して一畑グループの一員でした。グループには、持株会社である一畑電気鉄道をはじめ、一畑電車、一畑バス、松江一畑交通、ミツワタクシー、出雲一畑交通、隠岐一畑交通といった交通・観光関連企業が含まれていました。また、奥出雲町と一畑電気鉄道が出資する第三セクターである奥出雲交通も関連会社として挙げられます。

このように、双葉タクシーは設立から吸収合併による解散まで、松江市地域の交通を支える重要な役割を担い、その歴史の中でグループ内の再編やサービス改善にも取り組んだ事業者でした。

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