反則ポイント

反則ポイントの概要

反則ポイント（はんそくポイント）は、サッカーにおいてファウル行為に対して提示されるポイントで、特に日本プロサッカーリーグ（Jリーグ）で重要な役割を持っています。この記事では、反則ポイントの算出方法や、Jリーグにおける制度、ならびに国際大会での実施例について詳しく解説します。

Jリーグにおける反則ポイントの制度

Jリーグの反則ポイントは、規約第157条および158条に定められています。リーグ戦の試合で選手に対し出された警告（イエローカード）や退場（レッドカード）、そして出場停止の数を基に算出されます。具体的なポイントの内訳は次の通りです：

• - 警告（1試合で2回の警告による退場は除外）：1回につき1ポイント
• - 異議や遅延行為による警告：1回につきさらに1ポイント
• - 退場（1試合での警告2回によるものを含む）：1回につき3ポイント
• - 出場停止：1試合につき3ポイント
• - 警告・退場・退席がなかった試合：1試合につきマイナス3ポイント
• - 遅延：キックオフ指定時刻に遅れた場合、遅れ1分につき1ポイント

この反則ポイントはリーグ戦の成績にのみ適用されるため、Jリーグカップや天皇杯での反則行為によるポイントは加算されません。ただし、リーグ戦での退場が影響する場合は、直近のカップ戦において出場停止を受ける場合含め、ポイントに反映されることがあります。また、監督やベンチスタッフも抗議などによって処分を受けることがあり、その際も選手のようにポイントが加算されます。

反則金の徴収

リーグ戦が終了した後、全てのクラブの反則ポイントが合計され、それに基づいてクラブに対する反則金が課せられます。この反則金の金額は、シーズンごとに区分されています。例えば、反則ポイントが一定の基準を超えると金銭的なペナルティが発生します。

フェアプレー賞

Jリーグでは、反則ポイントが1試合平均1ポイント未満のクラブに対してフェアプレー賞が授与される制度もあります。これは、チームのプレーがフェアであることを称えるもので、各ディビジョンに応じて賞金が与えられます。特に反則ポイントが最も少ないクラブには高円宮杯が授与され、過去には清水エスパルスやサンフレッチェ広島が特筆すべき記録を持っています。

順位決定への影響

2008年からは、リーグ戦における順位決定方法にも反則ポイントが組み込まれました。もし同ポイントのチームが複数いた場合、従来の得失点差や得点の後、相手チーム同士の対戦成績を考慮した上で、反則ポイントが少ないクラブが上位に位置付けられます。

国際大会での反則ポイント

AFCアジアカップ

AFCアジアカップでも反則ポイントの制度が採用されています。2011年や2015年の大会では、グループステージでの順位決定に反則ポイントが適用され、警告1枚につき1ポイント、退場には3ポイントが与えられました。特に2019年大会では、グループで3位のチームの中で反則ポイントが少ないチームが決勝トーナメント進出する枠に含まれました。

FIFAワールドカップ

FIFAワールドカップでも、2018年の大会から反則ポイントが導入されました。この大会のグループステージでは、勝ち点や得失点差、得点が並んだ場合、反則ポイントにより順位が決定されました。具体的には、イエローカードが1ポイント、退場が3ポイントなどで計算され、実際に日本とセネガルの試合でも反則ポイントによって順位が決まりました。これはワールドカップ史上、反則ポイントが初めて順位決定に用いられた事例となりました。

まとめ

反則ポイントは、サッカーにおいて重要な要素となっており、選手やクラブの行動を規範化し、フェアプレーを促進する役割を果たしています。特に、Jリーグや国際大会におけるその適用は、サッカーの健全な進行に寄与するものといえます。

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