反天皇制全国個人共闘・秋の嵐

反天皇制全国個人共闘・秋の嵐

反天皇制全国個人共闘・秋の嵐（はんてんのうせいぜんこくこじんきょうとう・あきのあらし）は、1987年に結成された日本の反天皇制を主張するグループです。略称は「秋の嵐」と呼ばれています。

概要

このグループは、「全国個人共闘」という名称が示すように、反天皇制を掲げる個人の集まりであり、特定の政党やセクトに属さないノンセクト・ラジカルに分類されます。1987年秋に予定されていた沖縄国体に伴う昭和天皇の沖縄訪問に反対するため、見津毅、高橋よしあき、太田ノブ、穴水正彦によって結成されました。当初は短期間の組織として活動する予定でしたが、昭和天皇の病状悪化とそれに関連する社会的な動きの中で、活動が拡大しました。

昭和天皇の病状悪化に伴う「自粛ムード」やメディアの報道、そして天皇の戦争責任などが若者の間で問題視され、運動は一時的に盛り上がりを見せました。しかし、1989年1月の昭和天皇の死去、その後の大喪の礼や即位の礼といった皇室関連行事が一通り終了した1991年頃から活動は停滞し、現在に至っています。

活動中には警察の介入を受け、多くのメンバーが逮捕・起訴されました。特に、昭和天皇の死去直後の1989年1月には、複数のメンバーが逮捕されました。その中には、原宿で「さよならヒロヒト」と書かれた横断幕を歩道橋に張り出したメンバーが軽犯罪法違反で逮捕された事例がありました。しかし、横断幕の掲示は当時、歩行者天国を舞台とする多くのバンドも行っていた行為であり、秋の嵐はこれを不当逮捕と主張し、「『さよならヒロヒト』原宿 X-day 裁判でしっぺ返しをする会」を組織して国家賠償請求訴訟を起こしました。訴訟の結果、警察官によるメンバーへの暴行と合わせて、逮捕・暴行の両方において警察の違法行為が認められ、秋の嵐は勝訴しました。

2019年には、このグループの活動を題材とした映画『秋の嵐 Harajuku im herbst』が制作され、同年12月には東京の日本キリスト教会館で上映会が開催されました。

主要メンバー

• - 見津毅: ジャーナリスト、旧日本社会党職員、『社会新報』記者。1967年生まれ、1995年3月19日事故死。
• - 高橋よしあき: ミュージシャン。パンクバンド「テーゼ」のリーダー。1963年生まれ。
• - 太田ノブ
• - 穴水正彦 (美樹)
• - 山本夜羽音: 漫画家。1966年生まれ、2022年3月14日病没。
• - 佐藤悟志: 政治活動家。1965年生まれ。
• - 大田リョウ: 活動家。1963年生まれ、2002年10月3日病没。
• - 鹿島拾市: 著述家。1967年生まれ。

参考文献

• - 見津 毅 著、見津毅君遺稿集刊行委員会 編『終止符（ピリオド）からの出発』インパクト出版会（発売 イザラ書房）、1995年。ISBN 4-7554-0051-1。
• - 外山恒一『青いムーブメント : まったく新しい80年代史』彩流社、2008年。ISBN 978-4-7791-1336-9。

関連項目

• - 新左翼
• - 既成左翼
• - 天皇制
• - 象徴天皇制
• - 菊タブー
• - 天皇制廃止論
• - 共和主義

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