反応ゲーム2つに1つ

『反応ゲーム2つに1つ』は、1980年10月19日から1981年7月19日まで、TBS系列で毎週日曜日の夜7時30分から8時まで放送された30分間のクイズ番組です。この番組は三菱電機の一社提供でお送りされました。

一般的なクイズ番組とは異なり、解答者は自身の知識ではなく、他の参加者や観客の「反応」を手がかりに正解を推測するという、非常にユニークなゲーム形式を採用していました。番組の進行役は、当時、スポンサーである三菱電機の布団乾燥機のCMに出演していたタレントの西川きよしが務めました。きよしは時に、番組の流れとは関係なく、視聴者へ温かいメッセージを送る場面もありました。問題の読み上げは、初代出題者の水沢有美、そして2代目出題者の大野香菜が担当しました。

この番組の大きな特徴は、放送期間中にルールの変更が何度か行われた点です。番組開始当初は一般視聴者とタレントが参加するチーム対抗戦でしたが、放送が進むにつれて一般視聴者同士の個人戦へと形を変えていきました。

初期ルール

番組のスタート時は、4人一組の一般解答者チームとタレント解答者チームが対戦する形式でした。ゲームは個人戦と団体戦の二本立てで構成されていました。出題されるのは○×形式のクイズですが、解答者には問題の全文が見せられません。代わりに、問題を全文見た観客の反応だけを頼りに、○か×かを判断するという、まさにタイトル通りの「反応ゲーム」でした。

個人戦

各チームから代表者が一人ずつ選ばれ、計3問に挑戦します。100人の観客も解答に参加しました。問題は全て「○○といえば××」という形式ですが、「○○といえば」の部分だけが読み上げられ、答えとなる「××」は解答者に見えないモニターに「これ！」という合図と共に表示されました（例：「アニメ・サザエさんの現在のフルネームはこれ！」→「磯野サザエ」と表示）。

観客は、ヒマワリを模したユニークなボードを首から下げ、中央部分（花冠にあたる箇所）を回転させて○か×かを表示しました。解答者はその観客たちのボードを見て、正解を推測し、自身の解答を選びます。正解すると10点が加算されました。観客は不正解でもゲームから脱落することはありませんでした。また、観客のボードは、正解するたびに周囲の12枚の花びらが1枚ずつ外れる仕掛けになっていました。

団体戦

団体戦は全4問で行われ、こちらも観客が参加しました。個人戦と同様の形式で問題が出されますが、ここでは観客も解答者チームもモニターに表示される答えを見ることができませんでした。解答者チームと観客は一斉に解答（観客はボードを使用）し、正解したチームには40点が与えられました。観客は、この団体戦では不正解した時点でその後の問題には参加できず、失格となりました。

最終的に最も多くの得点を獲得したチームが優勝となり、賞金30万円とスポンサーである三菱電機の電化製品が贈られました。惜しくも敗れたチームにも、参加賞として賞金3万円が贈られました。観客の中では、個人戦で最も点数が高かった人が電化製品を獲得できました。さらに、団体戦で全問正解した観客には、賞金10万円が正解者数で均等に分配されました。

中期ルール

番組が中期に入ると、ルールの変更が行われました。参加者は一般解答者のみとなり、3人一組の一般チーム同士が対戦する形式になりました。計12問の問題に、各チームから一人ずつ代表者が出て解答します。初期と同様に100人の観客も解答に参加しました。その他のゲーム進行や解答方法は初期のルールを踏襲していました。

末期ルール

番組の末期には、ルールがさらに変更され、6人の一般解答者による個人戦となりました。これに伴い、観客の参加は廃止されました。代わって、5人の芸能人が「目安」として解答に参加しました。一般解答者は、初期・中期と同様に知識ではなく、問題をモニターで見た芸能人解答者の反応を見て、○か×かを判断するという方式でした。

問題は全部で8問。やり方は初期の個人戦と似ており、モニターに答えが表示されるのは芸能人解答者のみです。芸能人はそれを見て解答し、一般解答者は芸能人の解答の様子を参考に自身の○×を決定しました。一般解答者の中に正解者がいた場合、1問あたり60点の点数が正解者数で分割して与えられました。例えば、正解者が1人なら60点、2人なら30点ずつ、3人なら20点ずつ、4人なら15点ずつ、5人なら12点ずつ、6人なら10点ずつが配分されました。

最終的に最も点数が高かった一般解答者が優勝となり、賞金30万円と電化製品を獲得しました。

『反応ゲーム2つに1つ』は、一般的な知識を問うクイズ番組とは一線を画し、人間の推理力や直感、そして「反応」という要素を巧みに取り入れた、短命ながらも記憶に残るユニークな番組でした。

もう一度検索