収入印紙

収入印紙とは

収入印紙（しゅうにゅういんし）とは、国庫の収入を確保するために政府が発行する証票で、税金や手数料の納付を証明する役割があります。この印紙は、領収書や申請書といった特定の書類に貼ることで、支払いを証明するための重要な道具とされています。一般的には「印紙」と省略されることが多いです。

收入印紙の歴史

欧州における起源

収入印紙の制度は、1624年にオランダで初めて導入されましたが、この時の証明方法は文書への型押し（エンボス）によるもので、印刷物ではありませんでした。印紙税（stamp duty）はヨーロッパで始まった制度で、当初は直接新聞などに印刷して納税を証明していました。18世紀末にイギリスで、物品税の納付証明として印刷物の形態が考案され、以降広まりました。

日本の発展

日本における収入印紙制度は1872年（明治5年）から始まり、初期には民間の印刷職人が製造していましたが、1876年に国立印刷局が設立されて以来、すべての印紙は国によって発行されるようになりました。

収入印紙と郵便切手

近代に入ると、収入印紙に加え、多様な印紙や証紙が流通するようになりました。郵便料金の支払いを証明する郵便切手は1840年にイギリスで初めて発行され、英語では「revenue stamp」と「postage stamp」として区別されています。しかし、イギリスでは切手と印紙が兼用されることもありました。

日本の収入印紙の詳細

日本の収入印紙は領収書や契約書だけではなく、各種申請書にも使用され、政府に対する手数料や罰金、訴訟費用などの支払いを証明するために広く用いられています。具体的には司法試験や公認会計士試験などの受験手数料にも用いられ、多種多様な場面での利用が行われているのです。

額面と購入方法

日本では、収入印紙は1円から10万円まで、31種類の額面で発行されています。一般的に最も多く利用されるのは200円の印紙です。購入は郵便局や特定の店舗で可能で、法務局内では登記のために収入印紙を直接購入できる場所もあります。

印紙税および還付手続き

収入印紙を誤って貼付した場合、誤納付として税務署に還付請求が可能ですが、手数料の支払いに用いた場合は還付の対象とはなりません。また、手数料の支払いに関しては、額面が不足または過剰な場合、書類が不備とされるため、「過納承諾」の朱記が必要です。

偽造防止とデザイン

収入印紙は偽造のリスクがあり、2018年に改正された法律により、200円以上の印紙には偽造防止技術が導入されました。現行の印紙は、30円以上のものに桜のデザインが採用されており、異なる額面ごとに色や模様が異なるという特色があります。

収入印紙の関連法規

印紙犯罪処罰法や印紙等模造取締法によって、偽造や不正行為は厳しく取り締まられています。また、収入印紙の売買は消費税が課されない取引もあり、特定の条件下での合法的な取引が行われています。

結論

収入印紙は、日本における税金や手数料の支払いを証明するための重要な証票であり、さまざまな用途で利用されています。その歴史や制度の理解が深まることで、適切な扱いが促進されることが望まれます。

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