国立印刷局

独立行政法人国立印刷局について

独立行政法人国立印刷局（こくりついんさつきょく）は、日本における公的印刷を主に手掛ける機関です。
この機関は、紙幣や切手、旅券、郵便貯金通帳、証券類など、多岐にわたる印刷物を製造しています。持ち帰られるお金や重要な文書の印刷を行うという重要な役割を果たしています。
その本部は東京都港区虎ノ門に位置しており、全国に6つの工場を持ち、東京、王子、小田原、静岡、彦根、岡山の各地点で精力的に業務を行っています。職員は国家公務員の身分を持っており、特別な意義を持った印刷行為に従事しています。

歴史的沿革

国立印刷局の起源は1869年にさかのぼり、大分明治の時代、長崎製鉄所の本木昌造により設立された「活版伝習所」からスタートしました。その後、1871年には「紙幣司」が創設されるなど、政府による印刷関連組織が徐々に整備されていきました。
初代紙幣頭には経済人の渋沢栄一が就任し、1878年には大蔵省の「印刷局」に改称されたのを経て、1900年代に入ると官報局との統合が行われ、内閣所管の「印刷局」となるなどの変遷を経ています。
特に関東大震災や戦争の影響を受け、1946年には本局と工場が市ヶ谷へ移転しました。その後も業務の拡大とともに組織形態を見直し、最終的には2003年に独立行政法人として設立されることとなりました。

業務内容

国立印刷局は、紙幣や切手、印紙、旅券などの印刷を主な業務としており、これらはすべて自社の印刷部門で行われています。また、製紙部門では特別な紙の製造を手掛け、出版部門では政府刊行物の制作、研究開発部門では偽造防止技術に関する研究をしています。
デザインを専門とする工芸官たちも在籍し、特に紙幣のデザインにおいてその専門性を発揮しています。

工場見学と桜並木

国立印刷局では、東京工場や小田原工場、静岡工場、彦根工場の見学が可能で、事前申し込み制で一般公開されています。特に小田原工場には約500本の桜が植えられ、春の観桜会として公開されるイベントも行われています。

このような取り組みは、来局者に対して国立印刷局の重要性や歴史を直接触れる機会を提供っています。印刷局が日常生活で果たす役割に理解を深める貴重な体験となるでしょう。

国立印刷局は、印刷物の信頼性や安全性を担保しつつ、より良いサービスを提供するために日々努力を重ねています。

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