取締役会設置会社
取締役会設置会社についての詳細ガイド
1. 取締役会設置会社とは
取締役会設置会社は、取締役会を持つ株式会社を指します。日本の会社法第2条7号に基づき、特定の条件を満たす企業は取締役会を設けることが求められています。そのため、取締役会を設置しない企業は「取締役会非設置会社」と呼ばれることもありますが、これは正式な用語ではありません。
2. 取締役会設置の要件
基本的に、すべての株式会社が取締役会を設置する必要はありません。しかし、以下の特定の法人が取締役会を設置することが義務付けられています（会社法第327条第1項）：
取締役会を設置する場合は、取締役を3人以上選任する必要があります（会社法第331条第5項）。ただし、取締役が3人以上いても必ず取締役会を設置しなければならないわけではありません。
3. 監査役について
取締役会設置会社の大部分は、監査役を設置しなければならない規定がありますが、特定のタイプ（監査等委員会設置会社や指名委員会設置会社）についてはこの限りではありません（会社法第327条第2項）。監査役が非設置の取締役会社においても、監査役は選任することが可能です。
4. 機関設計の特例
取締役会を設置した場合、非設置の会社と異なる機関設定が求められ、会社法のさまざまな規定が適用されます。
5. 歴史的経緯
会社法の施行以前は、株式会社において株主総会と取締役会は必須の機関でしたが、法改正により、取締役会を持たない「取締役会非設置会社」が認められるようになりました。これにより、株式会社の機関設計が柔軟化され、取締役会設置会社がより一般的な構造として理解されるようになっています。
6. 商業登記の要件
取締役会設置会社の定めを新設する際には、定款変更が必要となり、こちらは株主総会の特別決議によって行われます（会社法第309条第2項）。手続きとしては、以下の内容が登記申請に含まれます：
7. 登録免許税
取締役会設置会社の定めを新設する場合、登録免許税として3万円の納付が必要です。さらに、代表取締役の変更があった場合にも同様の手数料が課されます。
8. 取締役会設置会社の定めの廃止
取締役会設置会社が非設置に変更したい場合も、定款を変更する必要があります。この手続きも株主総会の特別決議が求められ、登記手続きに必要な事項は新設時と類似しています。廃止する際には、代表取締役や監査役の変更についても申請を行う必要があります。
9. 結論
取締役会設置会社は、機関設計が独特であり、特定の条件を満たす必要があります。このため、企業は法規制に基づいた適切な手続きに従い、必要な書類を揃え、適時に更新することが求められます。商業登記の手続きは、その企業のガバナンスに大きな影響を持つため、慎重に行うことが重要です。
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