受相応

受相応とは

受相応（じゅそうおう、巴: Vedanā-saṃyutta）は、パーリ仏典の経蔵相応部に収録されている重要な部類です。これは、感受に関する教えを中心に構成されており、全体で3つの品と31の経から成り立っています。具体的には、次の3つの部に分かれており、それぞれが個別のテーマを持っています。

1. Sagāthā-vaggo（全10経）
2. Rahogata-vaggo（全10経）
3. Aṭṭhasata-pariyāya-vaggo（全11経）

これらの部は、仏教の教えにおいて「感受」つまり心がどのように感じ、反応するかに関するさまざまな側面について探求しています。

構成の詳細

1. Sagāthā-vaggo

この部は、主に感受に関する考え方やその影響についての教えを含んでおり、仏陀の直接の教えを伝えています。ここでは、感受が心の動きとどのように結びついているのかを掘り下げており、感受の質によって人の行動や思考がどう変わるのかが示されます。

2. Rahogata-vaggo

この部では、特に密やかに行われる内面的な感受に焦点が当てられています。人が一人でいる時の心の状態や感受の変化について具体的に論じられ、孤独の中での自己認識と感受のメカニズムが探求されています。

3. Aṭṭhasata-pariyāya-vaggo

最後にこの部では、さまざまな視点から感受を包括的に扱っています。ここでは、心の状態がどのように変化するのか、またそれらが仏道にどのように影響を与えるのかという視点から論じられています。特に、教えを実践することによってどのように感受が変わり、意識の成長につながるのかが強調されます。

日本語訳

受相応のパーリ文献には、いくつかの日本語訳があります。それぞれの訳者が異なるアプローチで教えを解釈し、日本に伝えています。代表的なものとして、片山一良による『相応部 六処篇 II』や、立花俊道の『南伝大蔵経・経蔵・相応部経典4』、さらに中村元監修の『原始仏典II 相応部経典4』などがあります。これらは、受相応の教えをより多くの人々に理解しやすくするために、多様な視点から訳されているため興味深い資料です。

結論

受相応は仏教の立場から感受の重要性を理解するための鍵となる教えが詰まっています。その内容は、私たちの生活や考え方に深い影響を及ぼし、仏教の教えを学ぶ上で欠かせないものです。この部を通じて、感受の理解を深め、心の成長につなげていくことが望まれます。興味のある方は、ぜひ手に取ってその教えに触れてみてはいかがでしょうか。

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