叢雲 (東雲型駆逐艦)

叢雲（むらくも）

叢雲は、大日本帝国海軍に属する駆逐艦で、東雲型の2番艦として知られています。同名の艦艇があるため、こちらは「叢雲（初代）」や「叢雲I」として表記されることもあります。

艦歴

叢雲は1897年10月にイギリスのソーニクロフト社で「第四号水雷艇駆逐艇」として起工され、1898年3月16日に「叢雲」と名付けられました。さらに、3月21日に海軍軍艦及水雷艇類別標準が制定され、東雲型の艦は水雷艇駆逐艇のカテゴリに分類されました。その後、11月16日に進水し、12月29日に完成。1899年4月23日には横須賀に到着し、その後も各種演習に参加するなど活躍を続けました。

1900年4月30日には神戸沖で行われた大演習観艦式に参加し、続いて6月22日には水雷艇駆逐艇の分類が廃止され、新たに駆逐艦のカテゴリが設立されました。叢雲はこの新たな分類において駆逐艦として位置づけられ、佐世保鎮守府の管轄となりました。この年には北清事変にも出動し、国際的な舞台での任務も果たしました。

1904年に日露戦争が始まると、叢雲は第二艦隊に所属し、重要な戦闘に参加しました。旅順口攻撃や黄海海戦、日本海海戦、さらには樺太の戦いと数々の激闘でその身を投じました。戦争の終結後、1905年10月23日には横浜沖の凱旋観艦式にも出席し、再びその存在を国民に印象づけました。

その後も叢雲は演習や訓練に参加し続け、1912年には艦艇類別標準の改正により、三等駆逐艦に分類されました。1919年4月1日には除籍され、雑役船（潜水艇母船兼掃海船）に指定され、「叢雲丸」と改名されました。1920年には特務艇（二等掃海艇）に編入され再び「叢雲」と名付けられ、1922年には掃海艇の分類から外れ、再び雑役船として扱われることになりました。

1925年には船体の劣化が明らかになり、3月12日に廃船が認可されました。その後、同年6月4日に千葉県洲埼灯台沖にて実艦標的として撃沈処分され、歴史の幕を閉じました。

艦長の一覧

叢雲に就任した艦長たちは時代と共に変わっていきました。1898年3月29日から回航委員長を務めた藤本秀四郎少佐を皮切りに、松岡修蔵少佐、島内桓太大尉、さらにはその後の艦長たちが続きました。彼らは海軍での経験を基に叢雲を指揮し、艦の運用に尽力しました。最終的には1918年9月10日から本田源三大尉が艦長の職についていました。

叢雲はその活動を通じて、帝国海軍の駆逐艦としての役割を果たし、数々の歴史的瞬間を共にしました。高い運動性能と火力を持つこの艦は、多くの艦長や乗組員によってその命を全うし、時代を経て艦歴に名を刻みました。

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