古前田充

古前田充（こまえだ みつる）

古前田充は、1950年4月14日生まれで、岩手県盛岡市出身の元サッカー選手および指導者です。彼は中盤で活躍したMFとして知られ、JFA公認S級コーチとしても名を馳せています。

経歴

古前田は、遠野高校と大阪商業大学でのプレーを経て、1973年に日本サッカーリーグ（JSL）の藤和不動産に加入しました。彼は、同チームの守備の要として活躍し、1976年から1981年の間に5度もJSLベストイレブンに選出されました。また、1977年にはセイハン比嘉とのデュオで7アシストを記録し、JSLアシスト王に輝きました。彼は3度のJSL1部優勝（1977年、1979年、1981年）と2度の天皇杯制覇（1977年、1979年）に貢献しました。

古前田は日本代表にも選出され、ムルデカ大会やキリンカップ、ヨーロッパ遠征などに参加。国際Aマッチでは2試合出場し、2得点を記録しました。現役時代は「将軍」として親しまれ、長髪をなびかせる姿が特徴でしたが、1982年に現役を引退しました。

引退後のキャリア

引退後はフジタでコーチとしてのキャリアをスタートしました。1983年から1989年までコーチを務め、上田栄治コーチと共に2度天皇杯準優勝（1985年、1987年）を達成。その後、1990年からはフジタSCの監督に就任しました。

1991年、ニカノール・デ・カルバーリョがヘッドコーチに就任し、二人三脚でのチーム編成となりましたが、実質的にはニカノールが監督としての役割を担いました。1993年には湘南ベルマーレに名称変更し、1994年にJリーグへ昇格。その後も積極的な攻撃サッカーを掲げましたが、初年度は守備の不安定さから成績は振るいませんでした。

特にNICOSシリーズでは、左サイドバックの岩本輝雄をオフェンシブハーフに転向させ、公文裕明を左サイドバックに起用することでチームは息を吹き返し、得点も失点も安定しました。これにより、神奈川の「湘南の暴れん坊」と称され、チームは華々しい成績を残しました。天皇杯ではC大阪を下し、初優勝という栄冠を手にし、田坂和昭は新人王、ベッチーニョと名塚善寛がベストイレブンに選出されました。

古前田はまた、Jリーグ12チーム中11チームからのオファーがあった中田英寿に目をつけ、試合後に彼に声をかけたことで、評価が分かれました。中田は後にベルマーレを選びました。その後も1995年には新しい戦術を試みたものの、チームは不振に陥り、古前田は1996年に監督を辞任し、その後はフロントに戻りました。

2001年からはYKKでコーチを務め、2003年には監督を担いました。2006年からは苫小牧駒澤大学の監督として指導を行っており、現在も現役で指導者として活躍しています。

結論

古前田充は、日本サッカー界においてコーチとしても選手としても多大な影響を及ぼしてきた人物です。特に湘南ベルマーレでの監督としての成功や、彼を通じて多くの選手が育った顕著な業績は、今後も語り継がれるでしょう。

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