古城の朝鮮ウメ

古城の朝鮮ウメについて

古城の朝鮮ウメは、宮城県仙台市若林区に位置する宮城刑務所の構内に生育している特異な梅の古木です。この木は伊達政宗が1593年の文禄の役の際に朝鮮から持ち帰ったとされており、その樹齢は220年以上から360年とも考えられています。1942年には国の天然記念物に指定され、その名も「朝鮮ウメ」とされています。

由来と歴史

この梅の木は、仙台藩初代藩主の伊達政宗によって朝鮮半島から持ち帰られました。政宗は文禄の役で出征し、現地で美しい梅の木を見つけ、その名木を鉢植えとして持ち帰るように頼みました。持ち帰った後、仙台城に植えられ、後に若林城の敷地に移植されました。

若林城は政宗の死後に廃城となり、その跡地は薬園に変わりました。明治時代には宮城集治監が設置され、やがて宮城監獄（現在の宮城刑務所）に統合されます。平成16年からの改築工事によって、若林城の遺構が発見され、この梅の木はその庭園に植えられていたのではないかと考えられています。

特徴と生態

古城の朝鮮ウメは、高さ9メートル、根元の周囲が約1.7メートル、枝は東西に17メートル、南北に22メートルに広がっています。樹木全体が占める面積は約330平方メートルです。また、遅咲きの特性を持ち、白色の大輪の花を香り高く咲かせることが特徴です。果実も大きく、これは「臥龍梅」と呼ばれるウメの一変種であり、日本最大とも言われています。

1942年に天然記念物に指定される際には、「臥龍梅ノ巨樹トシテ稀有ノモノナリ」という理由が挙げられました。現在のウメの木は最初の木から接ぎ木されたもので、2代目にあたります。かつての主幹は1976年の台風で倒れましたが、残された3本の支幹はまだ元気で生育しています。

公開情報

一般には非公開ですが、年に一度開催される矯正展の見学ツアーで見ることができます。さらに刑務所の北側には写真入りの説明板も設置されています。また、2015年にはテレビ番組『ブラタモリ』が特別に許可を得てウメの撮影を行いました。

仙台市青葉区の西公園には、明治8年に分植されたこのウメの子孫も存在し、「西公園の臥龍梅」として保存されています。また、宮城県松島町の瑞巌寺にも同じように政宗が持ち帰ったという臥龍梅があり、こちらも宮城県指定の天然記念物に指定されています。

交通アクセス

この古城の朝鮮ウメは、宮城刑務所の敷地内にあります。アクセス方法は、JR東北本線仙台駅から市営地下鉄南北線に乗り換え河原町駅で下車し、徒歩約15分。または、仙台駅から市営バスで南小泉3丁目バス停まで行き、そこから徒歩約1分です。

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