古川哲史

古川哲史：倫理学者・歌人

古川哲史（ふるかわ てつし、1912年5月8日 - 2011年8月22日）は、昭和から平成にかけて活躍した日本の倫理学者、歌人です。東京大学名誉教授、国際武道大学名誉教授という要職を歴任し、倫理思想研究に多大な貢献をしました。また、日本弘道会の元副会長も務めています。

生涯

1912年、鹿児島県国分市（現在の霧島市）に生まれました。旧制福岡高等学校を経て、1935年に東京帝国大学文学部倫理学科を卒業。その後、同大学院に進み、和辻哲郎に師事しました。1956年には東京大学文学部教授に就任し、倫理学の研究・教育に尽力しました。

1973年に東京大学を定年退官後は、亜細亜大学教授として教鞭を執りました。長年の教育・研究活動が評価され、1974年には紫綬褒章、1983年には勲三等旭日中綬章を受章しています。

2011年8月22日、老衰のため99歳で逝去されました。

業績

古川哲史は、日本倫理思想史を専門とし、特に近世日本思想、武士道、葉隠といったテーマについて深く研究しました。その研究成果は、数多くの著書や論文として発表されています。

著書（一部）

『近世日本思想の研究』（1948年）
『フランス倫理思想の研究』（1949年）
『日本倫理思想史』（1952年）
『新井白石』（1953年）
『王朝憧憬の思想とその伝流』（1957年）
『武士道の思想とその周辺』（1957年）
『英雄と聖人』（1958年）
『葉隠の世界』（1993年）

これらの著書は、日本倫理思想史研究における重要な文献として、現在でも広く読まれています。

また、歌人としても活動し、複数の歌集や詩集を出版しています。倫理学者としての思索を、短歌や詩といった形で表現しました。

歌集・詩集（一部）

『東西抄 歌集』（1978年）
『波がしら 歌集』（1978年）
* 『さくらの花のような、あるいは白梅のような 詩集』（1984年）

古川哲史は、倫理学者として、また歌人として、日本の思想・文化に多大な足跡を残しました。その研究成果は、今後も長く受け継がれていくことでしょう。

もう一度検索