古杉天神流

古杉天神流（こすぎてんしんりゅう）

古杉天神流は、明治時代に創設された棒術の流派です。この流派は、創始者である古杉米蔵が天神真楊流柔術から棒術を発展させて作り上げたものであり、1888年（明治21年）に正式に名付けられました。古杉天神流は、ただの武道としての棒術を超え、柔術との組み合わせにより多様な技術を提供します。

歴史的背景

古杉米蔵は、まず天神真楊流柔術を学び、そこで得た技術を基に棒術の体系を構築しました。彼の流派は、武士の武道精神を根底に持ちながらも、実戦的な技と型を重視しています。その結果、古杉天神流は独自のスタイルを確立することができました。古杉が創設したこの流派は、彼自身が昭和時代初期に大阪に移住した後も、根強く発展し、特に徳島県で広く受け継がれました。

系譜

古杉天神流の系譜は、以下の人物によって引き継がれています。

• - 古杉米蔵（天真堂柳風斎）

流派の創設者であり、天神真楊流柔術と棒術の融合を実現しました。

• - 八木天真堂柳雲斎

古杉の教えを受け継ぎ、流派の発展を続ける役割を果たしました。

• - 八木将裕

柳雲斎の弟子として、さらに技術の洗練を行いました。

• - 藤本丈太郎

八木将裕の教えを引き継ぎ、流派の指導者として活躍しました。

• - 栗須麗山

藤本から技を受け継ぎ、後進の育成にも力を入れています。

このように、古杉天神流は代々の師範によってその技術と精神が受け継がれ、現在に至っています。

特徴と技術

古杉天神流の特徴は、実践的な技に重点を置いている点です。特に、棒術においては相手の攻撃をかわし、反撃するための技術が多く含まれています。柔術の技術を取り入れたことで、相手の動きを読み、柔軟に対応する力が養われます。これにより、伝統的な武道の枠を超えた、現代的な戦闘技術としての側面も強化されています。

また、型稽古も重要な要素とされており、基本の動きを反復練習することによって、身体に技術を身に付ける仕組みが取り入れられています。これらの技術は、ただの身体的な稽古に留まらず、精神的な鍛錬や自己成長にも寄与しています。

参考文献と関連項目

古杉天神流に関する情報は、綿谷雪と山田忠史編の『増補大改訂 武芸流派大事典』に詳しく記載されています。この本は、日本の武道流派に関する貴重な資料として広く認識されています。また、棒術自体は他の流派にも広がりを見せており、武道の中でも重要な位置を占めています。

古杉天神流は、武道愛好者や歴史を学ぶ人々にとって、非常に興味深い流派であり、今後もその技術の継承が期待されます。

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