古河記念講堂

古河記念講堂

古河記念講堂は、北海道札幌市北区、北海道大学のキャンパス内にひっそりと佇む、歴史的建造物です。現在は大学院文学研究科の校舎として利用されており、その美しい外観は、訪れる人々を魅了し続けています。

歴史的背景

この講堂は、足尾銅山で財を成した古河財閥からの寄付によって建設されました。足尾鉱毒事件という負の歴史を背景に持つ古河財閥が、その償いの意味を込めて寄贈したとされています。建設された教室の中で、唯一現存する建物であり、その存在は、歴史の重みを今に伝えています。

[1909年]に竣工して以来、札幌農学校、東北帝国大学農科大学と名前を変えながら、講堂は常に北大と共に歩んできました。教養部本館としての役割や、大学紛争時には仮事務室、教官室として利用されるなど、激動の時代を乗り越えてきた証でもあります。

建築様式

外観はフランス・ルネサンス風を基調としていますが、下見板張りの外壁や切妻造りの主棟など、アメリカン・ヴィクトリアン様式の特徴も併せ持っています。この独特な様式は、新山平四郎によって設計されました。中央部には、かつて時鐘が取り付けられていた小塔が設けられています。また、林学教室として使用されていた時代を反映し、建物各所には「林」の文字がデザインされています。特に、玄関中扉の欄干に施された「林」の文字は、訪れる人々を出迎えるように、静かにその歴史を物語っています。

現在の利用と見学について

現在は文学研究科の校舎として使用されているため、内部に入れるのは北大関係者のみとなっています。しかし、外観は見学自由であり、その美しい姿を写真に収めたり、じっくりと眺めたりすることができます。春には桜、秋には紅葉と、四季折々の風景の中でその姿を変える古河記念講堂は、北大を訪れる人々にとって、格好のフォトスポットとなっています。

近年の動き

1988年には「さっぽろ・ふるさと文化百選」に選定され、1997年には国の登録有形文化財に登録されました。1999年には雨漏りのため屋根の葺き替え工事が行われるなど、文化財としての保護も行われています。

まとめ

古河記念講堂は、北海道大学の歴史と文化を象徴する貴重な建造物です。その美しい外観は、時代を超えて人々の心を捉え、歴史を語り継いでいます。北大を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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