古田真美

古田 真美

古田 真美（ふるた まみ、1954年 - ）は、世界遺産をはじめとする分野で研究活動を展開する日本の研究者です。

広島県呉市に生まれ、幼少期を過ごしました。その後、広島県立呉三津田高等学校を経て、東京にある青山学院大学に進学し、文学部史学科を卒業しました。歴史学を専門とする大学での学びは、その後の世界遺産研究の基礎を培うことになったと考えられます。

大学卒業後、古田氏は地域開発や観光振興をテーマとする活動に関わるようになります。1990年には、夫である古田陽久氏によって設立されたシンクタンクせとうち総合研究機構の事務局長に就任しました。同機構は、瀬戸内地域を中心とした広域的な視点からの政策提言や研究活動を行っており、古田氏はその運営において重要な役割を担いました。さらに1998年からは、同機構内に設けられた世界遺産総合研究所の事務局長も兼務し、世界遺産に関する専門的な研究と啓発活動を推進する立場となります。

古田氏は、シンクタンクの要職を務める傍ら、地域社会における公的な活動にも貢献しています。広島県においては、県の景観に関する諮問機関である広島県景観審議会の委員や、水辺環境の整備に関わる広島県放置艇対策あり方検討会の委員などを務め、専門知識を活かした提言を行いました。また、公共放送であるNHKの視聴者会議委員も歴任しており、多角的な視点から社会に関わっています。

研究者としての主な活動の一つに、世界各地への現地調査があります。これまでに世界の約40カ国、およそ200箇所の世界遺産地を精力的に訪れ、その現状や価値について自身の目で確認しています。また、世界遺産の登録や保全について議論されるユネスコの世界遺産委員会には、長年にわたりオブザーバーとして出席しており、国際的な動向や議論の最前線に触れることで、研究を深めています。これらの豊富な現地経験と国際会議での知見は、その後の執筆活動や啓発活動の貴重な基盤となっています。

著作活動も多岐にわたります。地域開発、特に瀬戸内地域に関するテーマでは、1994年に『月刊ロアジール』に「西瀬戸自動車道沿線の広域リゾート開発」と題する論文を発表し、地域資源の活用や広域開発について論じています。また、夫の古田陽久氏との共著や監修による出版物が多く見られます。1993年には「環瀬戸内からの発想」というタイトルの著作（または論文）があり、地方からの視点での地域振興策を提唱しています。さらに、2005年以降には『世界遺産ガイド』シリーズを古田陽久氏と共に手掛けており、国内・海外の世界遺産を紹介するガイドブックとして、多くの読者に世界遺産への関心を広める役割を果たしています。これらの共著は、様々な雑誌や紀要の参考文献としても多数引用されており、この分野における重要な業績と位置づけられています。

近年では、活字媒体での情報発信も行っています。2015年9月17日からは、聖教新聞において「世界記憶遺産の旅II」という連載を開始しました。この連載では、ユネスコの「世界の記憶」（世界記憶遺産）に登録された記録物について、毎回一つずつ取り上げて分かりやすく解説しています。ドイツの「ベートーヴェンの交響曲第9番」や、英国の「マグナ・カルタ」など、世界の重要な歴史的記録物の価値と背景を紹介し、読者の知的好奇心を刺激しています。

現在は広島市佐伯区に在住しており、引き続き世界遺産を中心とした研究や執筆活動を続けているものと見られます。長年の経験と幅広い活動を通じて、古田真美氏は世界遺産の理解促進と地域活性化に貢献する研究者として活動しています。

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