古荘嘉門

古荘嘉門（ふるしょう かもん）

古荘嘉門は、幕末から明治、大正にかけて活躍した人物で、その生涯は激動の時代を反映しています。熊本藩士として生まれ、内務官僚、政治家として日本の近代化に貢献しました。

生涯

1840年、熊本藩の侍医・佐伯家の長男として誕生。幼名は鶴喜。木下犀潭の塾で学び、井上毅と親交を深めました。戊辰戦争では佐幕派でしたが、藩論が勤王に転じたため、これに従いました。

明治維新後、河上彦斎らと訓練所・有終館を設立しますが、政治的な事件に関与し一時逃亡。後に自首し入獄しますが、井上毅の尽力で刑期が短縮され出獄しました。

官界に復帰後は、青森県大書記官、大分県大書記官を経て、第一高等中学校長に就任。その後、熊本国権党を創立し、衆議院議員に当選し、5期務めました。

日清戦争後には台湾に渡り、台南県知事心得、台湾総督府民生局内務部長を歴任。雲林事件では、地元民の安定化に尽力しました。その後、群馬県知事、三重県知事を務め、地方行政に手腕を発揮。晩年は貴族院勅選議員として国政に関わりました。

1915年、74歳で生涯を閉じました。

官僚・政治家としての実績

古荘嘉門は、地方行政と国政の両面で大きな足跡を残しました。

群馬県知事：二度、群馬県知事を務め、特に二度目の就任時には、前知事の公娼再設置を巡る問題に取り組み、混乱の収束に尽力しました。
三重県知事：三重県知事時代には、地域の発展に貢献しました。
衆議院議員：衆議院議員として、国政に参画し、様々な政策の実現に尽力しました。
台湾での活動：台湾総督府民生局内務部長として、雲林事件後の民心安定に貢献。地元住民との信頼関係構築に努めました。

人物

古荘嘉門は、困難な状況でも諦めずに、目的を達成しようとする強い意志を持っていました。政治的な信念を持ち、時にはそれが災いとなることもありましたが、常に誠実な姿勢を貫きました。また、人との繋がりを大切にし、多くの人々に慕われました。

まとめ

古荘嘉門は、幕末から明治、大正という激動の時代を生き抜き、日本の近代化に貢献した人物です。熊本藩士、官僚、政治家として、多岐にわたる分野で活躍し、その功績は今も語り継がれています。

参考資料

篠田正作編『明治新立志編』鍾美堂、1891年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
* 野口真広「台湾総督府内務部長古荘嘉門について」『社学研論集』Vol. 4、早稲田大学大学院社会科学研究科、2004年。

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