古賀廉造

古賀廉造について

古賀廉造（こが れんぞう）、1858年3月1日生まれは、日本の法学界で重要な役割を果たした裁判官、検察官、そして刑法学者です。彼は法学博士の学位を持ち、法典調査会の刑法起草委員としても活動しました。また、貴族院の勅選議員に任命されましたが、最終的には阿片密売の罪によって彼のキャリアは厳しい局面を迎えました。さらに、彼は投資の面でも波乱があり、金山購入に伴う損失も経験しました。

生い立ちと教育

古賀は佐賀県鍋島藩に生まれ、早くから教育を受けました。1874年には佐賀の乱に賊軍として参加し、当時の混乱を乗り切ると、1884年に司法省法学校の正則科を卒業し、検事補として司法の世界に足を踏み入れました。その後、1886年には正式に検事に任命され、法の実務に従事しました。

職業キャリア

古賀は職業上、特に重要な出張を1889年にフランスとドイツに行い、帰国後は東京地方裁判所で検事として働きました。1892年から1898年までの間、刑法審査委員会の委員として、刑法の整備にも深く関与しました。1898年には大審院の検事となり、1899年からは慶應義塾大学の教授としても教鞭をとりました。

その後、彼は大審院の判事に就任し、1906年からは内務省警保局長を務めました。この時期に彼は法律家としての地位を高め、1910年には法学博士の称号を獲得し、法政大学の専任理事としても活躍しました。

政治と法的な問題

1912年には内務省警保局局長として勤務する傍ら、同年12月には貴族院議員に勅任されました。しかし、彼の政治キャリアは一転します。1913年に「中華民国紙幣偽造事件」に連座し、懲役3年の刑を宣告されますが、1914年に東京控訴院で無罪の判決を受けました。この事件が彼の名声に影響を与えました。

さらに、1919年には自身が関与した阿片事件により、1921年には自らの意思で免官。この後も法律界での影響力を持ち続けましたが、最終的には1923年に収賄罪と阿片密売の罪が確定し、貴族院議員の地位を剥奪される結果になります。

晩年と死

古賀はその後も波乱の人生を送り、1924年には正四位を返上し、勲章も剥奪されることとなります。このような困難にもかかわらず、彼は法学の理論や実務において多くの貢献をしました。1942年に85歳で他界するまで、彼の名は日本の法学史に刻まれています。

遺産と影響

古賀廉造の著書「刑法新論」は、1898年に初版が発行され、以降も改版を重ねるなど、多くの影響を与えました。彼の理論や実績は、今もなお法学の分野で評価されています。彼の生涯は成功と失敗の両面を持つものであり、日本の近代法学の発展に多大な寄与をしたと言えるでしょう。

もう一度検索