古都京都の文化財

古都京都の文化財

古都京都の文化財は、京都府京都市、宇治市、滋賀県大津市にまたがる17の構成資産からなるユネスコの世界遺産です。1994年に日本で5番目の世界遺産として登録されました。正式名称には3つの市名が含まれますが、一般的には「古都京都の文化財」と省略されることが多いです。

構成遺産

構成遺産は、点在する17の寺社と城郭で構成されています。これらの遺産は、国宝建造物であるか、庭園が特別名勝に指定されているものに限られています。ただし、清水寺の一部である地主神社や、延暦寺の一部である比叡山など、例外も存在します。

具体的には、以下の17件が登録されています。

賀茂別雷神社（上賀茂神社）（★）
賀茂御祖神社（下鴨神社）（★）
教王護国寺（東寺）（★）
清水寺（★）
延暦寺（★）
醍醐寺（★）
仁和寺（★）
平等院（京都府宇治市）（★）
宇治上神社（京都府宇治市）（★）
高山寺（★）
西芳寺（苔寺）（◎）
天龍寺（◎）
鹿苑寺（金閣寺）（◎・■）
慈照寺（銀閣寺）（★・◎・■）
龍安寺（◎）
西本願寺（★・◎）
二条城（★・◎）

(
★：国宝建造物
◎：特別名勝
■：特別史跡
)

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしています。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
* (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

具体的には、京都が8世紀から17世紀にかけて宗教・非宗教建築と庭園設計の中心地であったこと、また、その文化的伝統が世界に大きな影響を与えたことが評価されています。また、現存する文化財は、前近代における日本の物質文化を最高水準で示しているとされました。

拡大登録計画

1994年の登録後、周辺環境の悪化やオーバーツーリズムなどの問題が顕在化しています。そのため、京都市を中心に遺産の追加登録計画が進められています。景観保護対策も合わせて行われており、都市計画の変更や条例の制定・改正、無電柱化、森林の整備などが実施されています。

市民団体や専門家からは、五山送り火、南禅寺、京都御苑、桂離宮、修学院離宮などを追加登録候補として提案されています。また、嵯峨野・嵐山一帯、東山一帯、大原・八瀬地区、鞍馬・貴船地区などの地域、産業遺産として琵琶湖疏水、保津峡なども候補として挙げられています。知恩院、大徳寺、禅林寺なども追加申請に向けて会合を行っています。

京都市は、妙心寺、南禅寺、東本願寺、桂離宮など約10か所の追加登録を目標としています。ただし、皇室関連施設である京都御所、桂離宮、修学院離宮、御陵などは、法整備などの問題から難しい状況です。

古都京都の文化財は、日本の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産です。その価値を未来に継承するため、保護と活用に向けた様々な取り組みが行われています。

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