句会

句会についての詳解

句会（くかい）は、複数の参加者が自ら作成した俳句を持ち寄り、お互いに評価し合うための集まりです。近年では、参加者が互選する形式が主流となっていますが、時には特定の指導者が句を選び、批評を行うこともあります。

歴史

句会の起源は、江戸時代にさかのぼります。当時は、集まった人々が連句（俳諧連歌）を共同制作しており、次第に発句（五・七・五の句）が独立して出される形式が登場しました。この発句を用いた競い合いを「句合」（くあわせ）または「発句合」（ほっくあわせ）と呼び、特に与謝蕪村の時代には盛んに行われました。また、数人が集まった際に句を読み合い、選を求める「運座」（うんざ）も行われていました。1834年からは、月毎に句を募り、宗匠が選ぶ「月次句合」が恒例イベントとして定着しました。明治時代に入ると、1891年に伊藤松宇らが互選句会を設立し、正岡子規が日本派の句会にこの形式を導入したことで、現在のような互選形式の句会が普及しました。

互選句会の流れ

句会は結社や流派によって様々ですが、一般的な流れを次に示します。

1. 準備

句会の開催にあたっては、日時と場所、出句数や選句数、題を決め、幹事を選任することが必要です。必要な道具としては小短冊、清記用紙、選句用紙を準備し、テーブルの配置などを整えます。

2. 出句

参加者は定められた数の句を短冊に書き、句会当日に提出します。作者名は伏せておくのが一般的で、普通は三句から五句を提案することが多いです。特に題が決まっていない場合は、当季の季語を用いた句が作成されます。

3. 清記

提出された短冊を混ぜた後、各自に配布します。その際、参加者は受け取った句を清記用紙に転写します。この際に、誤字があってもそのまま写し取り、「ママ」と注記することがあります。清記者の名前も記載し、指導者がいる場合は、句の番号をページ番号として清記します。

4. 選句

清記用紙のページ番号を記入した後、選句が始まります。各自が良いと思った句を選び、選句用紙に記入します。この段階では自分の句は選ばないことがルールです。選出された句には、特別に優れたものとして「特選」や「秀逸」とすることもあります。

5. 被講

選句が集まると、順番に選句者の名前と該当の句を発表します。発表された句の作者は自分の句が呼ばれた際に名乗ります。特選の句は最後に発表され、指導者のコメントが追加されることもあります。

6. 成績発表

集計された点数に基づいて成績が発表されます。順位が同じ場合には特選の数などで差をつけます。参加者が多い場合は、下位の句は省略されることもあります。

7. 講評

句会の最後には、指導者が全体の傾向や評価された句に関するコメントを行い、選に漏れた句についてのアドバイスなどを提供します。

主な句会の種類

題詠句会

特に題が決まっている場合があり、通常の季語が該当します。参加者に題が事前に通知される兼題と、当日の席上にて発表される席題が存在します。

吟行句会

この形式では、参加者が屋外に出て景を観察しながら俳句を創作する時間があります。

袋回し

一つの題について即興で句を作る形式で、参加者が順番に句を書いていくスタイルです。この形式は、通常の句会の後や二次会で行われます。

句会は、参加者同士が直接フィードバックし合い、俳句の技術向上を目指す貴重なひとときです。

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