只野信也

只野信也：日本の映像文化を支える巨匠編集技師

只野信也氏(1955年生まれ)は、日本の映画・テレビ業界において、長年にわたり第一線で活躍するベテラン編集技師です。北海道出身の彼は、横浜放送映画専門学院(現・日本[[映画大学]])卒業後、編集の道へと進み、数々の作品でその卓越した技術とセンスを発揮してきました。

彼のキャリアは、助監督として参加した『ちゃんばらグラフィティー 斬る!』(1981年)から始まります。その後、『Wの悲劇』(1984年)、『スケバン刑事』シリーズ(1985-1987年)など、幅広いジャンルの作品に携わり、着実に経験を積んでいきます。

只野氏の才能が広く知られるようになったのは、2000年代以降です。2001年の『千年の恋 ひかる源氏物語』で日本アカデミー賞優秀編集賞を受賞。さらに、2011年の大ヒット作『探偵はBARにいる』では、日本アカデミー賞編集賞に加え、日本映画テレビ技術協会主催の映像技術賞も受賞し、その実力を決定的に示しました。この作品はシリーズ化され、その後も『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(2013年)、『探偵はBARにいる3』(2017年)と、彼の編集技術を駆使した作品が観客を魅了し続けています。

彼の作品リストは多岐に渡ります。映画では、『あぶない刑事フォーエヴァー』(1998年)、『さらば あぶない刑事』(2015年)といった人気シリーズから、『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』(2017年)など、社会派作品まで、様々なジャンルを手掛けています。テレビドラマにおいても、『相棒』シリーズを始め、数多くの作品で編集を担当し、日本のテレビドラマ史に貢献しています。

『スケバン刑事』シリーズや『世にも奇妙な物語』、『相棒』シリーズなど、日本の視聴者に広く親しまれる人気作品にも多数携わっており、その功績は計り知れません。これらの作品群は、時代や世代を超えて愛され続けており、只野氏の編集技術が作品の世界観を効果的に表現することに大きく貢献していることを示しています。

只野氏は、編集技術の研鑽だけでなく、後進の育成にも力を入れています。宝塚大学非常勤講師を務めるなど、教育活動にも積極的に参加しており、日本の映像業界の未来を担う人材育成にも貢献しています。

2024年には文化庁長官表彰を受賞。これは、彼の長年にわたる映像制作への貢献、そして日本の映像文化の発展に寄与した功績が認められた証です。

只野信也氏は、単なる編集技師としてではなく、日本の映画・テレビ業界を牽引する存在として、その名を刻みつけています。彼の卓越した編集技術と、後進への指導は、これからも日本の映像文化を豊かに彩り続けることでしょう。

主な作品一覧

映画:
『ちゃんばらグラフィティー 斬る!』(1981年)
『Wの悲劇』(1984年)
『スケバン刑事 劇場版』(1987年)
『名門!多古西応援団』(1987年)
『千年の恋 ひかる源氏物語』(2001年)
『探偵はBARにいる』(2011年)
『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』(2013年)
『さらば あぶない刑事』(2015年)
『相棒 -劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断』(2017年)
『探偵はBARにいる3』(2017年)
『轢き逃げ 最高の最悪な日』(2019年)
『劇場版シグナル 長期未解決事件捜査班』(2021年)
『太陽とボレロ』(2022年)

テレビ:
『スケバン刑事』シリーズ(1985-1987年)
『世にも奇妙な物語』シリーズ(1990年～)
『相棒』シリーズ(2002年～)

受賞歴:
日本アカデミー賞優秀編集賞（『千年の恋 ひかる源氏物語』）
日本アカデミー賞編集賞（『探偵はBARにいる』）
映像技術賞（日本映画テレビ技術協会）（『探偵はBARにいる』）
[文化庁長官表彰]

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