可愛い花嫁さん

トムとジェリー：可愛い花嫁さん

1945年公開の『可愛い花嫁さん』(原題：Flirty Birdy)は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督による、人気アニメシリーズ『トムとジェリー』の一編です。劇場公開時は『イカレ鳥の巻』というタイトルで上映されました。

本作は、チーズを仕掛けに使ってジェリーを罠にかけようとするトムから物語が始まります。いつものようにチーズに釣られて罠にかかったジェリーでしたが、そこに突然、巨大なワシが登場。トムが用意したジェリー入りの「ネズミサンドイッチ」を奪い去ってしまいます。

ジェリーを取り戻そうとワシに立ち向かうトムでしたが、ワシの圧倒的な力に全く歯が立たず、逆にぶん投げられてしまいます。偶然にも人の家の洗濯物に引っかかったトムは、そこで見つけた花柄の服と刷毛箒からひらめきを得ます。なんと、雌鳥に変装してワシをおびき寄せ、その隙にジェリーを取り返そうという奇策です。

トムの予想外の女装に、ワシは完全に騙されてしまいます。トムはワシの気を引きつけながら、ジェリーを捕まえようとしますが、ジェリーもまた一枚上手。トムを出し抜き、状況を逆転させようと画策します。

ワシに求愛され続けるトム。一方ジェリーは、トムをワシと同じやり方で翻弄します。激しい攻防の末、トムは窓に激突して気を失ってしまいます。この隙を逃さずに、ジェリーはトムの片足を縄で縛り、その縄をワシに持たせてしまいます。気が付いたトムはワシから逃げようとしますが、時すでに遅し。トムは、ワシの「花嫁」として捕まってしまうのです。

物語の終盤、夕暮れ時の木の上。ワシの新しい住処で、「花嫁」となったトムは、せっせと編み物に励んでいます。まさに予測不能な結末を迎える本作は、『トムとジェリー』シリーズの中でも特に記憶に残る一作と言えるでしょう。

主要キャラクター

トム: ジェリーを捕まえようとするも、ワシに邪魔され、最後は自分がワシの「花嫁」になってしまう猫。策略家としての一面を見せるものの、最後はジェリーとワシの策略に翻弄されます。
ジェリー: トムに食べられそうになるも、ワシを巧みに利用してトムを陥れるネズミ。知略と機転を活かし、トムを出し抜くだけでなく、ワシをも操る知略を見せます。
* 雄ワシ: ジェリーを巡りトムと対立する巨大なワシ。単純で騙されやすい性格で、トムの女装にも最後まで気づきません。力こそあれど、知略には弱く、ジェリーとトムの策略に翻弄される姿はコミカルです。

まとめ

『可愛い花嫁さん』は、トムとジェリーの定番の追いかけっこだけでなく、そこに巨大なワシが加わることで、予想外の展開とユーモラスな状況を作り出しています。トムのコミカルな女装や、ジェリーの知略、そしてワシの単純さが織りなすドタバタ劇は、何度見ても楽しめる作品です。 綿密な計画と、偶然の出来事が絡み合い、予想外の結末へと繋がっていく展開は、まさに『トムとジェリー』ならではの面白さです。

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