可燃物
可燃物について
可燃物（かねんぶつ）は、通常の環境で着火すると自らの燃焼を持続する物体のことを示します。これは、燃焼を行うための条件が整っていることを意味しており、純物質に対しては「可燃性物質」とも呼ばれます。
燃焼が持続するためには、一定の温度が保たれなければならず、その温度が燃焼によって生成される熱量が、熱の散逸（放射、対流、伝導）を上回る必要があります。また、燃焼に必要な酸素は通常空気から供給されます。このため、可燃物の性質には、表面の状態や形状、さらには置かれている環境が大きく影響します。
燃焼の特徴
たとえば、スチールウールなどの切り屑状の金属は大きな表面積を持ち、ライターなどで簡単に着火することができます。一方で、金属の塊のような形状では、火を近づけてもすぐには燃えません。このように、可燃物はその形態によって着火しやすさが異なります。
また、燃焼の目的で利用される可燃物は「燃料」と呼ばれます。燃料には、経済性や持ち運びの容易さ、安全性などの要因が重視されるため、単純に可燃性という特性だけで評価されるわけではありません。
可燃性の指標
可燃物の可燃性を評価するための指標として、「発火点」と「引火点」があります。
- - 発火点: 大気中に置かれた物体が火のない状態で継続的に燃焼を始めるための最低温度を指します。
- - 引火点: 火の存在下で、大気中に置かれた物体が着火するための最低温度です。この際、発生する蒸気が引火点を超える必要があります。一般的に、引火点は発火点よりも低く設定されていることが多く、可燃物の場合、発生する燃焼熱が大きいため、着火することで自然に発火点を超えて燃焼が持続することがほとんどです。
法令による規定
日本では、可燃物の取り扱いに関して複数の法令が定められています。物質の状態に応じて適用される法令が異なります。
- - 気体や液化ガスの場合: 高圧ガス保安法が適用されます。
- - 固体や液体の場合: 消防法が適用されます。可燃性物質は一般的に「燃えやすい」というイメージがありますが、古紙のように可燃性であっても消防法の規定を受けないこともあります。
各市区町村の条例により、指定可燃物として取り扱われることもあります。法令における可燃性物質の定義については、以下のような規定が含まれます:
このように、可燃物に関する特性や法令は多様であり、具体的な取り扱いや評価は注意深く行われるべきです。
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