台中港

台中港は、台湾中部の台中市に位置する重要な港湾です。この港は、砂浜海岸を掘削して建設された掘込式の港湾であり、総面積は3760アール、水域面積は970アール、陸地面積は2800アールに及びます。

歴史を振り返ると、台中港の建設は日本統治時代に遡ります。当時、この地域には新高港という港の建設が計画されていましたが、太平洋戦争の影響でその計画は中止となりました。その後、中華民国統治下の1973年10月に台中港の建設が開始され、1976年10月には一部が供用開始となり開港しました。そして、1983年には第一期工事が完了しています。

1995年の時点で、台中港は外貿コンテナふ頭5つ、雑貨ふ頭15つ、ばら積貨物ふ頭2つ、液体貨物ふ頭6つ、セメントふ頭3つ、穀物ふ頭2つ、石炭ふ頭2つを有していました。これらの施設は、多種多様な貨物の取り扱いを可能にし、台湾の貿易と経済活動を支える重要な役割を果たしてきました。

台中港の発展において、鉄道輸送は欠かせない要素でした。港湾の建設に合わせて、台湾鉄路管理局西部幹線海岸線の甲南駅（現在の台中港駅）から分岐する貨物支線、台中港線が建設され、1976年10月に開業しました。その後、1985年には分岐駅の甲南駅が台中港駅に、終点の台中港駅が台中港駅貨運辦公室（台中港駅貨物運輸事務所）駅にそれぞれ改称されています。

また、石炭ふ頭に陸揚げされる輸入石炭の発送は、海岸線の龍井駅から行われるようになりました。これらの鉄道駅からは、台中港の主要なふ頭に引込線が設けられ、輸入穀物の製粉工場への輸送、輸入石炭の台湾北部の火力発電所への輸送、そして内陸のセメント工場からの輸出セメントの輸送などに利用されてきました。

しかし、近年では道路輸送との競合、製粉工場の減少、一部の火力発電所の運転休止などにより、鉄道による輸送量は減少傾向にあります。それでも、台中港は台湾経済にとって重要な港であり続け、その物流機能は今日でも台湾の産業を支えています。

台中港務局

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