台中神社

台中神社について

台中神社は、日本統治時代の台湾、台中州台中市に位置していた神社です。創建当初は県社でしたが、後に国幣小社へと昇格しました。この神社は、日本の皇族である能久親王のほか、大国魂命、大己貴命、少彦名命を祭神としていました。

歴史

1911年（明治44年）2月28日、台中市街の北側に位置する新高町の台中公園内に創建されました。翌1912年（大正元年）10月には社殿が完成し、鎮座祭が執り行われました。1914年（大正3年）5月29日には県社に列格し、地域における重要な神社としての地位を確立しました。その後、1942年（昭和17年）11月27日には、同じ新高町の水源地へと遷座し、国幣小社へと昇格しました。しかし、1945年の第二次世界大戦における日本の敗戦により、台中神社は廃座されることとなりました。

戦後、台中神社は忠烈祠へと改められました。さらに1970年（民国59年）には、日本式の建物は全て取り壊され、その跡地には中国式の孔子廟と忠烈祠が新たに建設されました。これにより、台中神社は歴史の中に埋もれることとなりました。

その他の情報

大正3年（1914年）2月25日には、板垣退助がこの神社を訪れ参拝した記録が残っています。これは当時の台中神社が地域社会において重要な場所であったことを示しています。

台中神社の旧社地は、現在では台中公園の一部となっています。遷座前の社殿跡には基礎が残っており、1973年にはその上に孔子記念像が建てられました。また、公園内には倒された状態の鳥居がベンチとして利用されており、かつての神社の面影をわずかに残しています。台中神社の参道も公園内に残っており、かつての神社の雰囲気を伝えています。参道脇の燈篭は戦後に全て撤去されましたが、近年になり、台中市が神社の遺跡を史蹟として整備する過程で、燈篭も元の通りに並べ直されました。これにより、かつての神社の姿を偲ぶことができるようになりました。

台中神社は、その歴史の中で、日本の統治時代、そして戦後の台湾社会の変化を象徴する場所となりました。その跡地は、今もなお台中市の歴史と文化を語る上で重要な場所であり続けています。

補註

外部リンク: 台中市孔廟忠烈祠聯合管理所

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