台中州

台中州（たいちゅうしゅう）

台中州は、日本統治下の台湾に置かれた五州三庁の一つで、現在の台中市、彰化県、南投県を合わせた地域です。1920年から1945年まで存在し、台湾の中央部に位置する重要な地域でした。

人口

1941年の統計によると、台中州の総人口は138万187人でした。

内地人（日本人）：4万6371人
台湾人：132万9620人
朝鮮人：333人
その他：3863人

行政区分

1945年当時の行政区分

市
台中市
郡・街庄
大屯郡
彰化郡
員林郡
北斗郡
南投郡
新高郡
能高郡
竹山郡
大甲郡
豊原郡
東勢郡

戦後の行政区分の変遷

台中市と彰化市は台湾省に移管され、台中県から離脱しました。
1946年9月、台中県政府は員林鎮に移転しました。同時に員林区が廃止され、管轄の街庄は彰化区に移管。彰化区公所は鹿港鎮へ移転。
1947年2月、北屯郷、西屯郷、南屯郷が台中市に移管されました。
1948年5月、新高区は玉山区と改名されました。
1949年3月、中峰区が設置され、全ての蕃地（原住民地域）が中峰区に移管されました。
1950年、全ての区が廃止され、旧南投、新高、能高、竹山区管内の郷鎮は南投県へ、旧大屯、大甲、豊原、東勢区管内の郷鎮は台中県へ、旧彰化、員林、北斗郡管内の郷鎮は彰化県に統合。彰化市は彰化県に移管されました。
2010年12月25日、台中県と台中市が合併し、中華民国直轄市としての新たな台中市が誕生しました。

歴代知事

台中州知事は以下の通りです。（一部抜粋）

加福豐次：1920年9月1日 -
立川連：1921年2月1日 -
常吉徳寿：1922年5月15日 - 1924年12月23日
本山文平：1924年12月25日 -
三浦碌郎：1926年10月12日 -
佐藤続：1927年7月22日 -
生駒高常：1928年7月21日 -
水越幸一：1929年7月9日 -
太田吾一：1931年1月20日 -
竹下豊次：1932年3月15日 -
日下辰太：1935年1月15日 -
松岡一衛：1936年10月16日 -
奥田達郎：1939年12月27日 -
森田俊介：1941年5月14日 -
清水七郎：1944年3月20日 -

医療

台中州には、以下の医療機関がありました。

台湾総督府鉄道局台北鉄道病院彰化分院
台湾総督府台中病院（現在の衛生福利部台中病院）
宮原眼科

法院（裁判所）

台中地方法院

刑務所

台中刑務所

警察

台中州の警察組織は以下の通りです。

台中州警務部
台中警察署
彰化警察署
各郡警察課

林政

営林所台中出張所

専売局

台中支局
台中酒工場
台中支局埔里出張所
埔里酒工場

気象

台中測候所

教育

高等教育機関

台中農林専門学校（現在の国立中興大学）
台中師範学校（現在の国立台中教育大学）
彰化青年師範学校（廃止）

中等教育学校

台中州立台中第一中学校（現在の国立台中第一高級中学）
台中州立台中第二中学校（現在の国立台中第二高級中学）
台中州立彰化中学校（現在の国立彰化高級中学）
台中州立台中第一高等女学校（現在の国立台中女子高級中学）
台中州立台中第二高等女学校（台中第二中学校と統合）
台中州立彰化高等女学校（現在の国立彰化女子高級中学）
台中州立台中工業学校（現在の国立台中高級工業職業学校）
台中州立彰化工業学校（現在の国立彰化師範大学附属高級工業職業学校）
台中州立台中商業学校（現在の国立台中技術学院）
台中州立彰化商業学校（現在の国立彰化高級商業職業学校）
台中州立台中農業学校（現在の国立台中高級農業職業学校）
台中州立員林農業学校（現在の国立員林高級農工職業学校）
私立台中商業専修学校（現在の私立新民高級中学）

鉄道

総督府鉄道
縦貫線
台中線
集々線
東勢線（未成線）
新高築港専用鉄道（未成線）

道路

多数の指定道路が存在しました。

港湾

鹿港（特別輸出入港）

神社

台中神社
彰化神社
員林神社
清水神社
豊原神社
東勢神社
竹山神社
北斗神社
田中神社
鹿港神社
秀水神社
能高神社
南投神社
魚池神社

国立公園

次高タロコ国立公園
新高阿里山国立公園

企業

多くの企業が州内に存在していました。（一部抜粋）

農林水産業
三五実業
中南拓殖
布嶼拓殖
瑞裕拓残
台湾青果
鉱業
南投炭鉱
製造業
運輸業
台中軽鉄
卸売小売業
台湾物産商事
大豊拓殖
台湾拓殖産業
禎祥拓殖
呉鸞旅実業
大全興業
金融業
彰化銀行
台中恒産信託
台中産業信託
鹿港物産信託
大東信託
台中信用組合（現在の三信商業銀行）

マスメディア

ラジオ放送局

台湾放送協会台中放送局（呼出符号JFCK）

日本語新聞

台湾新聞

出身有名人

許世楷（政治家）
モーナ・ルダオ（霧社事件の首謀者）
林献堂（文化人・政治家）
辜顕栄（資産家・貴族院議員）
謝雪紅（政治活動家）
蔡焜燦（実業家）
宮原武熊（医学博士・政治家・教育者）
林月雲（陸上競技選手）

脚注

参考文献

秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

関連項目

台湾総督府
日本統治時代の台湾行政区分
台湾の行政区分
台中市
台中県
彰化県
* 南投県

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