台北水道水源地

台北水道水源地について

台北水道水源地は、台湾の台北市中正区に位置し、日本の統治時代に設計・建設された取水場及び浄水場です。この施設は、現在は公館浄水場として運営されており、観光名所としても知られています。施設内には自来水博物館とウォーターパークが併設されており、市定古蹟にも指定されています。水道町や水源路という地名も、この水源地に由来しています。

沿革

台北水道水源地の歴史は1885年に遡ります。清朝の初代台湾巡撫、劉銘伝によって、台北の北門街、石坊街、西門街で井戸が開かれました。これが公共の水供給の始まりとされ、地元住民に飲料水が提供されました。

日本の台湾統治が始まった1895年には、台湾全土の衛生環境改善が命題となり、台北の水道整備が急務とされました。1896年には、技術者ウィリアム・K・バートンと浜野弥四郎が台北に派遣され、上水道の構築計画が立案されました。1903年には、新店渓に取水口が設けられ、1909年には全施設が完成し、一般家庭への給水が開始されました。これは台北における水道の近代化の一環であり、人口13.3万人に対して効率的な水供給を実現しました。

戦後の発展

第二次世界大戦後、台北水道水源地は市政府の管轄となり、各種の改良工事が施されました。1951年には水源の拡張計画が進められ、翌年に新たな施設が完成しました。そして、1961年には台北市自来水廠の管理下となり、それ以降も設備の増強や改修が続けられました。

1992年には、歴史的な旧ポンプ室が保全され、その後1993年には見学が可能になりました。続けて1998年には博物館としての修復工事が行われ、2000年に開館しました。これにより、古き良き台北の水道の歴史や技術が広く一般に知られることとなりました。

自来水園区

自来水園区は、2002年に開業したレジャー施設で、公館浄水場や自来水博物館が位置しています。このエリアは市民の憩いの場となっており、ウォーターパークでは様々なアトラクションが用意されています。また、カワヅザクラやエザクラ、ソメイヨシノなどが植樹されており、早春には見事な花を楽しむことができます。

自来水博物館

自来水博物館は、旧ポンプ室を利用して建設されており、台湾の水道技術の歴史を伝える重要な施設です。施設はバロック様式のデザインを取り入れ、訪れる人々に当時の様子を再現しています。また、ポンプ室内部には、歴史的な取水・送水ポンプが展示されており、工業史の一部を学ぶことができます。

舞台となった作品

この水道水源地は、台湾ドラマ『公主小妹』の舞台にもなっており、台湾文化の一端を象徴する場所としても機能しています。台北水道水源地は、ただの水道施設に留まらず、歴史と文化を深く感じられる場であり市民にとって大切な存在となっています。

このように、台北水道水源地は、その歴史的価値とともに、現代においても市民に愛され続ける重要なスポットです。

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