台東区立黒門小学校

台東区立黒門小学校

台東区上野一丁目に位置する黒門小学校は、その名の由来を寛永寺の黒門に持つ、歴史と伝統ある公立小学校です。

歴史

江戸時代、上野公園一帯は寛永寺の территорииであり、その入り口にあった黒門が地名の由来となりました。明治43年に創立された黒門小学校は、上野の発展と共に歩んできました。落語家の桂文楽もこの地を愛し、「黒門町の師匠」と呼ばれていました。

概要

黒門小学校は、上野の街を学区域とする小学校として、地域との連携を大切にしています。特に注目すべきは、関東大震災後の復興小学校の校舎を現役で使用している点です。この校舎は、都内でも数少なくなった震災復興校舎の一つであり、重厚な雰囲気を醸し出しています。校舎には、建築当初から存在する地下の防空壕や二宮金次郎像も残されており、歴史を感じさせます。

現存する震災復興校舎の中でも、黒門小学校の校舎は名建築として高く評価されています。そのため、東京芸大などの専門家が監修し、耐震化を含めた改修工事が2014年から2019年に行われました。これにより、創建当時の優美な佇まいを取り戻し、文化財・歴史的建造物としての価値を保ちつつ、現役の校舎として永く使い続けることが可能になりました。

かつて旧講堂には、戦前に御真影を安置していた奉安殿がありましたが、体育館への改修時に消滅しました。

教育

黒門小学校の校長は、複数の学校での校長経験や行政経験を持つ者が就任するのが慣例となっています。特に、道徳教育に力を入れており、昭和40年代には全国に先駆けて道徳授業を実践していました。文部科学省等の研究指定校としての実績も多数あります。

卒業生の多くが私立・国立の有名中学校に進学することから、千代田区の番町小学校や中央区の泰明小学校と並び、都内を代表する公立小学校の名門として知られています。そのため、都内や近県からの区域外就学児も多く、児童の半数以上を占めています。

上野という立地を生かし、上野公園内の文化施設との連携も密に行い、地域に根ざした教育活動を実践しています。

PTA・地域との連携

黒門小学校育ての会（PTA組織）を中心に、同窓会や地域との連携を積極的に行い、児童の教育活動を支援しています。

2023年1月には、全教科で区研究協力校となりました。

校歌

山田耕筰作曲、笹川臨風作詞による校歌は、黒門小学校の精神を象徴しています。

通学区域

黒門小学校の通学区域は、以下の通りです。

上野一丁目（全域）
上野二丁目（全域）
上野三丁目（全域）
上野四丁目（全域）
上野五丁目（10番-27番）
上野六丁目（全域）
池之端一丁目（1番）

進学先中学校

公立中学校に進学する場合は、以下の3校が指定されています。

台東区立上野中学校
台東区立御徒町台東中学校
台東区立忍岡中学校

著名な出身者

黒門小学校は、多くの著名人を輩出しています。

岡野俊一郎（国際オリンピック委員会委員、日本サッカー協会名誉会長）
小椋佳（歌手、音楽家）
石井ふく子（演出家）
山田耕筰（作曲家）
山本善之助（写真家）
上田令子（政治家）

関連情報

* 東京都台東区立黒門小学校

もう一度検索