笹川臨風

笹川臨風の生涯と業績

基本情報

笹川臨風（ささかわ りんぷう、1870年9月2日 - 1949年4月13日）は、日本の歴史家、評論家及び俳人として知られています。彼の本名は種郎（たねお）です。この文章では、彼の生涯、教育、業績について詳しく探ります。

経歴

笹川臨風は1870年に東京府神田末広町で誕生しました。父の義潔は旧幕臣であり、その後内務省土木局に勤務しました。家族は父の職務の関係で、各地を転々としながら生活をしていました。彼は旧制愛知県立中学校を卒業後、第三高等中学校を経て、帝国大学（現在の東京大学）の国史科を卒業しました。

卒業後は教員としての道を歩み、旧制宇都宮中学校の校長に就任しました。その後、明治大学の教授となりますが、1920年に起こった植原・笹川事件に関与し、学生を扇動したとして解職されました。この事件は、東洋大学学長の木下友三郎と学監の田島義方の退任を求めるもので、結果的に彼は解職されましたが、1921年に復職し、その後東洋大学の教授として活動を続けます。

1924年には、東山文化についての学位論文『東山時代の美術』を提出し、文学博士号を取得しました。また、美術史の研究においても第一人者とみなされていましたが、1934年に発生した春峯庵事件により、偽作問題で警察に勾留されました。

晩年の彼は、1949年4月13日に文京区西片町の自宅で亡くなりました。彼の墓所は豊島区駒込の染井霊園にあります。

研究内容・業績

笹川臨風は歴史書、美術批評、小説に至るまで多岐にわたる著述活動を展開しました。彼は特に歴史学と美術史の分野での貢献が顕著です。

文学者として

彼は高山樗牛の友人であり、「帝国文学」の編集に寄与しました。高山の死後も、姉崎正治と共に『樗牛全集』を編纂しました。また、1909年に「文藝革新会」を提唱し、その活動に積極的に関与しました。彼は赤門派の俳人でもあり、その作品には独特の視点が反映されています。

史料編纂

彼は末松謙澄のもとで毛利家の歴史資料を整理し、『防長回天史』の編纂にも参加しました。加えて、「小右記」「中右記」といった公家日記を収録した『史料大成』（1934-1944）を編集し、史学の発展に寄与しました。

著作

笹川臨風は数多くの著作にも残しています。代表的な著書や共著、編纂・校注、翻訳の中には次のような作品が含まれます：

• - 『通俗シエークスピーア物語』（チャールズ・ラム / メアリ・ラム、通俗教育普及会出版局、1916）
• - 『水滸伝』（改造社、世界大衆文学全集、1930）
• - 『琵琶記物語』（高則誠、博多成象堂、1939）

まとめ

笹川臨風は、日本の歴史や美術に関する広範な知識を持ち、多くの著作を通じてそれらを後世に伝え続けました。彼の業績は今なお多くの研究者や愛好者に影響を与えています。彼の生涯と作品は、今も日本文化の重要な一部として評価されています。

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