台湾プラスチックグループ(Formosa Plastics Group, FPG)
台湾プラスチックグループ(FPG、
中国語: 台塑集團)は、
台湾を代表する多角的な大企業グループです。その事業領域は、
合成樹脂、
繊維、バイオテクノロジー、
石油化学、電子部品、運輸、
医療、
教育、そして製鉄と、非常に多岐にわたります。
概要
1954年、王永慶・王永在兄弟によって設立された台塑は、1980年代には
台湾の民間企業として、総資産、売上高、そして従業員数においてトップの地位を維持しました。創業者である王永慶は、「経営の神様」や「
台湾工業の父」と称されています。
2010年のデータでは、従業員数は99,332人、総資産は2兆9,915億
台湾ドル、売上高は2兆1,850億
台湾ドルに達し、売上高は同年の
台湾のGDPの約15%を占めるほどでした。また、スタンダード&プアーズAsia 50銘柄、
台湾証券取引所50指数銘柄にも選ばれています。
FPGは、
エチレンの年間生産量で世界トップ10に入るメーカーであり、テレフタル酸の年間生産量では世界一を誇ります。さらに、
ガラス繊維の生産能力も世界一、銅箔の生産量では世界第3位、ICパッケージ基板の生産能力では世界トップ3に入るメーカーです。DRAM工場においては、
台湾最大規模であり、世界でも6位の生産量を誇ります。
歴史
1954年7月: 高雄市にて「福懋塑膠公司」を設立。
ポリ塩化ビニル(PVC)の生産を開始。
1957年4月: 福懋塑膠公司は「台灣塑膠公司(
台湾プラスチック社、Formosa Plastics Corporation)」に名称を変更。
1958年8月: 南亞塑膠加工公司を設立。台灣塑膠が製造するPVCを購入して操業を開始。
1963年2月: 「嘉林塑膠製品公司」設立。同年8月には「新東塑膠製品公司(New Eastern Plastics Produc Corp.)」に名称を変更し、消費者製品の生産を開始。
1964年10月: 「台塑汽車貨運公司」を設立し、グループの物流を担当。
1967年8月: 新東塑膠製品公司が南亞塑膠加工公司を吸収合併し、「南亞塑膠公司(Nan Ya Plastics Corp.)」に名称を変更。
1987年4月: 「長庚醫學院」を設立。
1988年6月: 「長庚護專」を設立。
1991年2月: 「台塑重工公司」を設立。
1992年4月: 「台塑石化公司」を設立し、石油精製事業に参入。
1995年3月: 「南亞科技公司」を設立し、DRAMの開発・生産に参入。
1995年11月: 「台灣小松電子材料公司」を設立(現在は台塑勝高科技公司)。
1998年5月: 「台塑旭彈性纖維公司」を設立。
1998年10月: 「台朔汽車公司」を設立し、自動車事業に参入。
1999年2月: 「六輕汽車貨運公司」を設立。
1999年4月: 「台亞石油公司」を設立。
1999年6月: 「台塑環保科技公司」を設立。
1999年10月: 「長庚生物科技公司」を設立。
1999年12月: 「台塑大金精密化學公司」を設立。
2000年4月: 「台塑網科技公司」を設立。
2000年7月: 「台塑海運公司」を設立。
2000年8月: 「台塑訊科公司」「台化出光公司」を設立。
2000年12月: 「台灣興業公司」を設立。
2002年5月: 「台化塑膠公司」を設立。
2002年6月: 「台塑光電公司」を設立し、発電事業に参入。
2002年12月: 「台灣醋酸公司」を設立。
2003年1月: 「華亞科技公司」を設立。
2003年10月: 「亞太能源公司」を設立。
2003年11月: 「台塑生醫科技公司」を設立。
2003年12月: 「南亞光電公司」を設立。
2003年には、グループの売上高は1.2兆
台湾ドルに達し、
台湾のGNPの11%を占めるまでになりました。2007年には、グループの売上高は2兆
台湾ドル、
台湾のGNPの15.4%に相当するまでに成長しました。
2016年には、ベトナムの環境当局から5億米ドルの罰金支払いを命じられました。これは、製鉄所の廃液が原因で魚の大量死を引き起こしたためです。
2016年1月には、「出光フォルモサ(IFSC)」が設立されました。
関連企業
FPGは、以下の分野で多数の関連企業を抱えています。
石油化学事業
電子製造事業
医療事業
教育事業
交通運輸事業
投資開発事業
その他
出典・脚注
朝元照雄著『発展する
台湾企業:日経・アジア300指数構成企業の成長過程』(勁草書房、2018年)の第1章「
台湾プラスチック・グループ(FPG)の企業発展」に詳しい。
外部リンク
台塑グループ
台灣塑膠工業股份有限公司
南亞塑膠工業股份有限公司
台灣化學纖維工業股份有限公司
台塑石化股份有限公司
台塑企業文物館
台塑網
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明志科技大學