台湾民政府

台湾民政府とは

台湾民政府（たいわんみんせいふ）は、台湾桃園市に拠点を置く政治団体です。彼らは、台湾と日本の統合を目標として掲げています。第二次世界大戦後の台湾の法的地位に関する独自の解釈に基づいており、その活動は物議を醸しています。

概要

台湾民政府は、実業家であり政治家でもあった林志昇によって2008年2月に設立されました。林志昇は、第二次世界大戦終戦時の台湾は、沖縄と同様にアメリカ合衆国の占領下にある大日本帝国の一部であったと主張しています。そのため、彼は台湾人は日本人であるという立場をとり、サンフランシスコ平和条約によって日本が台湾の権利を放棄したものの、主権は依然として日本にあると主張しています。彼らの最終的な目標は、台湾が日本の連邦の一部として独立し、その後国際連合に加盟することです。

活動

台湾民政府は、様々な活動を通じてその主張を広めています。2017年には、ワシントンD.C.で政治ニュースサイトのポリティコと共同でイベントを開催し、台湾の自決に関する議論を行いました。また、独自に発行する身分証や自動車のナンバープレート、車検証などを販売し、これらの身分証があればアメリカ合衆国にビザなしで入国できると主張していましたが、米国在台湾協会によって否定されています。

2018年5月には、桃園地検によってマルチ商法まがいの資金集めを行っているとして家宅捜索を受けました。

毎年8月15日には、台湾民政府のメンバーが靖国神社に集団参拝しています。

洪素珠事件

2016年には、メンバーの洪素珠が引き起こした事件が社会的な非難を浴びました。洪素珠は、市民ジャーナリストを自称し、インタビュー動画の中で高齢の退役軍人に対して「中国の難民は帰れ」と罵倒しました。この動画がインターネット上で拡散され、炎上状態となり、団体の事務所に卵が投げつけられるなどの抗議活動が発生しました。

巨額詐欺事件

台湾民政府は、反中主義者、台湾独立主義者、親日主義者などから約7.1億台湾ドルを騙し取ったとして告発されています。彼らは、2016年の総統選挙前にアメリカ軍から台湾の移管が行われると信じ込ませていました。しかし、総統選挙が予定通りに行われたため、メンバーや支持者の間で詐欺ではないかという疑念が生じ、捜査が開始されました。家宅捜索では、現金1億3,000万台湾元と外貨、会員名簿、エアガンなどが発見されました。会員数は3万6,000人にも上るとされています。

詐欺の手口

台湾民政府は、主に以下の3つの手口で資金を騙し取っていました。

1. 米国軍政府なる組織から身分証明書などの権限を与えられたという嘘の情報を流し、ターゲットから各種書類の手数料を徴収。
2. 台湾を6つの行政区に分け、台湾民政府が優先的に登用すると謳い、有料のセミナーで金を騙し取る。
3. 米軍が台湾を占領しており、台湾の移管を求める訴訟を起こしており、勝訴すれば1台湾ドルが1米ドルに交換できるようになると嘘をつき、金を騙し取る。

判決

2022年6月、裁判所は代表の妻である林梓安に対し、299件の詐欺を認定し、懲役19年と200万台湾ドルの罰金刑を言い渡しました。また、団体に対して不法所得7369万台湾ドルの支払いを命じ、他のメンバーにも実刑判決が下されました。代表であった林志昇は、判決前の2019年に自宅で転倒し死亡したため、不起訴となりました。

その後

台湾民政府は、林梓安らを除名し、「台湾民政府の元秘書長夫人林梓安は自分の特別な身分を利用して汚職と金を吸い、台湾民政府が財を掻くという汚名を冠させ、保釈後、林梓安は亡くなった指導者林志昇秘書長の妻の名で、台湾民政府内部組織法の指導者構造を無視し、私欲を狙った」と発表しました。また、「ブラックリストに注釈し、後日転換正義委員会は厳しく追及する」としています。

もう一度検索