史上最高のパンツ一丁男

映画『史上最高のパンツ一丁男』（米題：Spicy Mac Project）は、日本人監督のスパイシーマックがメガホンを取り、同じく日本人であるジャックワイズマンJr.が製作を務めた、2008年製作のコメディ映画です。全米では2010年に、日本では2011年12月16日に公開されました。わずか1万ドルという低予算ながら、そのユニークな企画と内容は公開当時、一部で注目を集めました。

概要

本作の最大の特徴は、その独特な構成にあります。全15章から成り立っており、それぞれがほぼ独立したお笑いショートコントの形式をとっています。一見バラバラに見えるこれらのエピソードが、物語が進むにつれて複雑に絡み合い、最終的には一つの大きなストーリーへと収束していくという構成は、観る者に予測不能な展開をもたらします。

製作は日本人であるスパイシーマック監督とジャックワイズマンJr.が担当しました。製作費は1万ドルと非常に抑えられていますが、この低予算が作品の持つシュールさや実験的な側面に拍車をかけているとも言えます。

全米およびカナダでは、2010年 9月7日にDVDとして配給が開始されました。当時の全米最大のビデオレンタルストアであったBlockbusterをはじめ、主要な大型量販店のWalmartや電器店のBestBuyといった大手流通ルートで販売されたことは、低予算のインディーズ作品としては珍しい展開でした。日本国内では、2011年12月16日にローランズフィルムの配給によりDVDがリリースされ、日本の観客にも届けられました。

ストーリー

物語は、異種格闘技の違法試合に関与したとして逮捕された4人の男たちから幕を開けます。その中には、内科医であるジャックも含まれています。彼らは釈放されるための条件として、ロス市警が企画した誘拐訓練において犯人役を務めることを受け入れます。しかし、この訓練は思わぬ方向へ脱線し、彼らは訓練とは無関係の一般市民を本当に拉致監禁してしまうという前代未聞の事態を招いてしまいます。

窮地に陥った4人は、人質の解放と引き換えに、前代未聞かつ理解不能な要求を突きつけます。それは、アメリカ合衆国大統領に対してストリップを強要するというものでした。この前代未聞の事態に直面したロス市警は、事件の真相が公になることを恐れ、4人を「本物の凶悪犯」として処理するため、射殺も辞さない強硬手段に出ることを決定します。特殊部隊とロス市警による強行突入が目前に迫る、極限の緊張状態。

そんな危機的な状況の中、突如として現場に現れたのが、伝説的なFBI交渉人であるジョン・ジェームズでした。彼は、その名の通りパンツ一枚という異様な出で立ちで登場し、物語にさらなる混沌と予測不能な要素を加え入れます。運命のいたずらに翻弄されることになった4人の男たちと、常識を超えた交渉人が織りなす、シュールでスリリング、そしてどこか悲喜劇的な展開が描かれ、彼らのたどり着く結末は果たしてどのようなものになるのかが物語の焦点となります。

登場人物

ジョン・ジェームズ: 伝説のFBI交渉人（演：ジェフ・スワーソウト）
ジャック・クレバーランド: 内科医（演：スティーブ・バッケン）
アーノルド・シーモア・ウィルソン: アホスイマー（演：イーサン・マクダウェル）
マイキー・ゴードン: 弱虫ボクサー（演：クリストファー・コービン）
ビリー・ウイリアムズ: インチキ教祖（演：ダン・バーンヒル）
ジェイソン: 悪徳警部（演：チャールズ・パセロ）
ハリソン: 警部補（演：ジェイミー・フィルブリック）
グリーン・バーグ: 特殊野菜部隊の大佐（演：ハワード・ペイリー）
ジャージ・ブッチ: アメリカ大統領（演：トニー・クローニン）
レオ: イタリアンマフィア（演：サムソン・ギャファレイ）
エリザベス: （演：マレーナ・マッコーエン）
セレブリティー: （演：裕木奈江）

主なスタッフ

監督/脚本/撮影/編集: スパイシーマック
プロデューサー: ジャックワイズマンJr.
音響: 篠崎純平
テクニカルアドバイザー: ラファエロ
美術: 松崎悠希

DVD情報

アメリカ、カナダ版:
発売日：2010年 9月7日
配給：SKD/ KOCH Entertainment One Distribution
日本版:
発売日：2011年12月16日
発売：オルタナビジョン
販売：ローランズフィルム

本作に関する詳細情報や関連資料は、IMDbなどの主要な映画データベースや、当時の販売促進資料、関連メディアの記事などで確認することができます。また、インターネット上では予告編や一部映像も公開されています。

もう一度検索