司䆃寺

司䆃寺の概要

司䆃寺（サドシ）は、李氏朝鮮時代において宮殿内で使用される食料、特に米や其他穀物の管理を担当していた官庁です。この機関は、内膳の運営と食材の管理を通じて、王室の食生活を支える重要な役割を果たしました。

歴史的沿革

司䆃寺の設立は1392年7月28日、太祖の治世に遡ります。この日に料物庫が設置され、その後、1401年には供正庫と改称され、食料供給の管理が強化されました。1405年にはこの供正庫が戸曹衙門の所属とされ、制度がより整備されることになります。

1414年には供正庫の主簿が丞と改称され、役職名が見直されます。さらに、1422年には供正庫が𠮷官署と改称され、官署名の制度も変更されました。

1466年には、司䆃寺は改編の一環として司膳寺となり、ここで正・副正・僉正・主簿・直長といった役職が新たに設けられました。これによって、より明確な組織が形成され、食材管理に特化した運営が進んでいきました。

最後に、1882年12月29日、司䆃寺は廃止され、その役割は他の機関に引き継がれることとなりました。

司䆃寺と司膳寺の関係

朝鮮王朝実録の記録によると、司膳寺が司䆃寺に改称されたという明確な記載はありません。しかし、両者の名称は、「道」と「膳」という漢字の差異からも分かるように、同じ項目を指すものであったため、当時は混用されて使用されていたと考えられます。これにより、成宗以後、正式に司䆃寺の名称が用いられるようになったとされています。

このように、司䆃寺は李氏朝鮮の王室における食料管理の中心として長い歴史を持ち、王族の日常生活や儀式に欠かすことのできない機関でした。内膳を通じた文化や食習慣は、朝鮮の食文化の発展にも寄与しました。

終わりに

司䆃寺の設立から廃止に至るまでの歴史は、李氏朝鮮時代の制度や文化の変遷を反映しています。宮殿内の食材管理という一見地味な役割ながらも、その背景には多くの人々の支えがあったことを忘れてはなりません。食は文化の一部であり、司䆃寺の存在はその重要性を物語っているのです。

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