戸曹

戸曹（ホジョ）の概要

戸曹は、高麗末から李氏朝鮮にかけて存在していた重要な行政機関でした。この機関は、正二品の衙門と位置付けられ、六曹の一つとして高い権威を持っていました。その設置は1392年、太祖元年にさかのぼり、光化門の南に位置していました。戸曹の役割は、国家財政とそれに関連するさまざまな事項を担当しており、特に戸口や貢物、田糧、税金、食糧などの管理を行いました。これにより、当時の朝鮮の経済を支える重要な機関となっていました。

歴史的な変遷

1894年、高宗31年に発生した甲午改革に伴う経営の見直しにより、戸曹は度支（財務）衙門に改称されました。この改革は、国家体制の変化と財政の効率化を図るもので、財政制度全般の見直しを含んでいました。その後、度支衙門はさらに発展し、大蔵省として知られる度支部となったことは、その重要性を物語っています。

戸曹の構成と役割

戸曹は、さまざまな専門部門に分かれており、それぞれに異なる役割を持っていました。主な部門は以下の通りです。

版籍司

版籍司は、土地や人々の登録（糊口）・賦役・公納などの業務を担当しました。また、農業や養蚕の奨励や、作物の状況調査、さらには賑貸や還穀の管理も行いました。これは当時の農業政策にとって非常に重要な役割を果たしていました。

会計司

会計司は、中央政府と地方自治体の収入および支出を管理する責任がありました。収入と支出の会計や、それに伴う引き継ぎ文書、財物の欠損などに注意を払い、国家財政の健全さを維持するために努めていました。

経費司

経費司は、特に首都での支出に関連する項目の管理を担当しました。倭人に対する食糧配給なども含まれており、国民の生活を支える重要な役割を果たしていました。

その他の関連機関

戸曹に関連するその他の機関もいくつか存在しました。例えば、内資寺、内贍寺、司䆃寺、司贍寺、軍資監、済用監、司宰監、そして豊儲倉や広興倉、典艦司などが含まれます。これらの機関は、それぞれ特定の財政や経済に関する業務を担当しており、国家運営を支えていました。

戦後の影響と展望

現代において、戸曹の役割は現在の企画財政部に相当しており、その系譜は現代の行政にも大きな影響を及ぼしています。歴史的な背景とともに、戸曹は朝鮮半島の経済と行政の基盤を築くための重要な機関であり、その役割が後の時代さらには今日においても引き継がれていることがわかります。

もう一度検索