司贍寺

司贍寺（サソムシ）の概要

司贍寺は、李氏朝鮮時代に設置された官府で、主に楮紙製の紙幣である楮貨の発行や、特定の身分の奴婢に関する管理を行っていました。この官府の設置には、1401年に左議政の河崙が提言を行ったことが起因しています。初めに設置された名称は「司贍署」であり、楮貨制度の土台を築く役割を果たしました。

楮貨制度の導入

楮貨制度の導入は、当時の経済状況に合わせて通貨の流通を改善するための試みでした。楮紙で作られた貨幣は、物々交換に代わる新しい手段として期待されていました。しかし、1300年代以来の布貨の流通状況や経済的な事情から、この制度は長続きせず、1403年に楮貨制度は廃止されることになります。この年の廃止は、布貨がより広く使用されるようになったことを背景にしています。

司贍署の復活

さらに、1410年には再度司贍署が復活し、楮貨制度も復活しました。この復活は当時の李氏朝鮮政府が新たな経済政策に基づいて通貨発行を見直したことを示しています。司贍署は、楮貨の発行だけでなく、他の経済業務も担っていくことになります。

外居奴婢の管理

司贍寺の役割には、外居奴婢に関する管理も含まれていました。外居奴婢は、官奴の中でも特異な存在で、奴婢としての役務を果たさず、自立した生活を営むことが許された奴婢たちです。彼らは毎年、身布と呼ばれる納付物を官府に納める義務がありました。これにより、彼らは一定の経済的自由を持ちつつ、官府との関係を維持することが求められていました。

まとめ

司贍寺は、楮貨制度の設立とそれに関わる管理業務、さらに外居奴婢制度の運用を担った重要な官府でした。このように、李氏朝鮮時代の貨幣制度や身分制度において中心的な役割を持ちながら、経済的な発展に寄与しました。その設置と廃止の歴史は、その時代の経済的事情や政策の変化を反映しています。これらの事例は、当時の経済社会を理解する上で欠かせない要素となっています。

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