合同電気

合同電気株式会社の歴史と業務内容

合同電気株式会社（ごうどうでんきかぶしきがいしゃ）は、大正から昭和戦前期に存在した日本の電力会社で、その本社は三重県津市に位置していました。設立時の名称は三重合同電気株式会社（みえごうどうでんき）で、1922年5月に津電灯、松阪電気、伊勢電気鉄道という3社が合併する形で成立しました。以降、合同電気は積極的な事業展開と地域統合を進め、さらに7つの府県にその供給区域を広げました。

設立の経緯

設立当初、三重県内では電気事業者が複数存在しており、その乱立状態が業界の発展を妨げていました。そのため、当時の三重県知事は電気事業の統合を促す政策を打ち出し、県内の事業者に対して合併を勧告した結果、津電灯、松阪電気、伊勢電気鉄道の3社が新たな法人を設立したのです。設立時の資本金は1,250万円であり、急速に発展を遂げることになりました。

事業の拡張

合同電気設立以降は、他の電力会社との合併を進めていきました。1923年には徳島水力電気を合併し、これにより徳島県や淡路島へも進出しました。さらに、1930年には大手電力会社である東邦電力からの事業譲渡を受け、四日市支店や奈良支店の電気供給業務を引き継ぎ、事業の規模を飛躍的に飛躍させました。

特に注目すべきは、1930年代に入ると県外への進出がさらに進展し、岐阜県や和歌山県、京都府、滋賀県などへも電力供給を行うようになりました。こうした事業展開にともなって、供給区域は最終的に三重県、奈良県、京都府、滋賀県、和歌山県、兵庫県、徳島県の7府県に広がりました。また、通常の電気供給事業の他にも、都市ガス業務や電気鉄道業務、バス事業を兼営していました。これらの事業は、合同電気の収益において主に電気供給事業が大きな割合を占めていました。

合併とその後

その後、1937年には合同電気は東邦電力に吸収合併され、解散しました。この合併により、合同電気が運営していた地域は再編を経て、1951年からは中部電力や関西電力、四国電力などの営業区域の一部となりました。

兼営事業

合同電気はガス事業や鉄道事業も展開しており、電気に加えて広範なサービスを提供していました。特に、一部では都市ガス供給も行っており、ガス事業は設立時の津電灯および徳島水力電気から引き継いでいましたが、1930年代には合同瓦斯株式会社を設立し、ガス供給業務を専業化しました。

結論

合同電気株式会社は、地域の電力需要に応じた柔軟な事業展開を行い、電気供給をはじめとする幅広い事業を通じて地域のインフラ整備に貢献しました。しかしながら、時代の流れとともに大手電力会社との合併が進む中で、最終的にはその歴史に幕を下ろすことになります。この会社の取り組みは、地方電力会社の発展の一つの指標となり、当時の日本における電力事業の変遷を色濃く反映しています。

もう一度検索