合川村 (大分県)

旧合川村：豊後大野市の歴史を彩る村

大分県豊後大野市の一部を成す旧合川村は、大野川支流である奥嶽川の豊かな水系に沿って栄えた村です。本稿では、合川村の歴史、地理、産業について詳細に解説します。

誕生と発展

合川村は、明治22年（1889年）に町村制施行に伴い、六種村、宇田枝村、左右知村、平石村の4つの村が合併して誕生しました。当初は、これらの旧村名を継承した4つの大字で構成されていました。

その後、合川村は幾多の変遷を経て発展を遂げます。明治30年（1897年）にはシイタケ栽培が始まり、特産品として村の経済を支えました。明治35年（1902年）には新式木炭製造が開始され、林業資源を活かした産業が発展しました。明治37年（1904年）には宇田枝井路の完成により、畑作中心であった村の農地は水田地帯へと大きく転換し、農業構造に大きな変化をもたらしました。

大正10年（1921年）には合川電力会社が操業を開始し、村内への電力供給が実現しました。これは村民生活の質の向上に大きく貢献した出来事と言えるでしょう。昭和7年（1932年）には、南緒方村の一部地域を編入し、大字馬背畑、大化が加わり、6大字へと拡大しました。昭和9年（1934年）には農林省直営の森林鉄道が敷設され、林業の近代化が進みました。

合併とその後

昭和30年（1955年）1月1日、合川村は、隣接する牧口村、白山村と合併し、清川村として新たな歴史を歩み始め、合川村としての歴史に幕を閉じました。

産業構造

合川村の産業は、農業、林業が中心でした。特にシイタケ栽培と木炭製造は、村の主要な産業として重要な役割を果たしました。奥嶽川流域の豊かな自然環境が、これらの産業を支える基盤となっていました。

まとめ

合川村は、明治期以降の町村合併や、農業・林業の近代化、電力供給開始など、様々な出来事を経て発展しました。その歴史は、豊後大野市の発展の歴史を理解する上で、欠かすことのできない重要な一ページです。シイタケ栽培や木炭製造といった産業は、当時の村の生活や経済を支える上で大きな役割を果たし、現在に続く豊後大野市の礎を築きました。 これらの歴史的背景を理解することは、地域社会の現状を理解し、未来を展望する上で非常に大切です。

参考文献

角川日本地名大辞典 44 大分県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

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