角川日本地名大辞典

角川日本地名大辞典

『角川日本地名大辞典』は、角川書店によって発行された、日本における地名の豊富なデータを集積した辞典です。この辞典の根底にある理念は、地名が持つ民族遺産としての価値を未来に伝えることです。また、現代の地名を収録することで、社会における必要に応じた情報を提供し、地域の現状を後世に理解させる役割を担っています。編纂委員会の委員長である竹内理三氏は、このプロジェクトに対する思いを明確にしています。

収録内容と構成

本辞典は、日本の47都道府県にそれぞれ1巻ずつ、北海道および京都府は上下巻で構成され、別巻も含め全51巻に及びます。これらの巻は1978年から1990年の間に出版され、価格は各巻1万5000円から2万円程度となっています。この詳細な地名データベースには、各地域の地名に関連する情報がしっかりと記載されており、訪問者が各地を理解するための重要な資料となっています。

デジタル版の提供

『角川日本地名大辞典』は、書籍版だけでなく、デジタル形式でも提供されています。2002年にリリースされたCD-ROM版には、約24万5千の地名項目が収録されており、価格は294,000円です。この版はWindows OSに対応しており、さまざまなシステム要件が設けられています。

さらに、2011年には改訂版であるDVD-ROM版が発表され、平成の大合併に対応した新しい情報が提供されました。この版は、約25万項目を含み、本体価格は280,000円（税別）となっています。

オンライン版の展開

現代において、オンライン環境が発展する中、さまざまなプラットフォームでの提供も行われています。携帯電話向けの辞書サイト「JLogos」では、月額315円で『角川日本地名大辞典』の情報にアクセスできるサービスが提供されています。また、株式会社ネットアドバンスの運営する「ジャパンナレッジ」では、最新版のDVD-ROM版を基にした情報が2018年から利用可能になりましたが、こちらは法人向け契約となっているため、個人利用はできません。

評価

d
『角川日本地名大辞典』は、その内容と情報の質により、1991年には毎日出版文化賞特別賞を受賞するなど、多くの評価を受けています。地名は、地域の文化や歴史を反映する重要な要素であるため、これらの情報が集約されていることは、研究者から一般の読者まで多くの人々にとって大きな財産となっています。

この大辞典は、地名に関心がある人々や、地理学者、研究者にとって非常に価値のある資源であり、日本の地理と文化の理解を深める助けとなる一冊です。

もう一度検索