合澤英旦

合澤英旦

合澤英旦（あいざわ ひであき）氏は、1995年3月23日生まれの日本の元ラグビー選手です。東日本大震災からの復興を進める岩手県釜石市の出身。現役時代のポジションはスクラムハーフ（SH）を務め、主に地元のクラブチームである釜石シーウェイブスで活動しました。身長166cm、体重90kgという体格は、SHとしては比較的がっしりしており、突破力なども兼ね備えた選手でした。

ラグビーキャリアの始まりと地元での活躍

ラグビーが深く根付く街、釜石で育った合澤氏は、地元の岩手県立釜石商工高等学校でラグビーに取り組みました。高校時代には、全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」への出場機会は得られませんでしたが、日々練習に励み、選手としての基盤を築きました。

高校を卒業した2013年、合澤氏は岩手県を本拠地とする社会人ラグビーチーム、釜石シーウェイブスに加入します。釜石シーウェイブスは、かつて日本選手権でV7を達成した新日鉄釜石ラグビー部を前身とする歴史と伝統を持つチームであり、地域からの支援も厚い存在です。合澤氏はここでスクラムハーフとしてチームに貢献しました。

選手としての経験と実績

釜石シーウェイブスでのプレー期間中、合澤氏はいくつかの貴重な経験を積みました。

その一つが、2014年に開催された第69回国民体育大会、通称「長崎がんばらんば国体」への出場です。この大会のラグビーフットボール競技成年男子部門において、岩手県代表チームの一員として選出されました。故郷の代表として全国の舞台でプレーした経験は、選手としての自信と成長に繋がりました。

さらに2015年には、国内最高峰リーグであるトップリーグに所属する強豪、東芝ブレイブルーパスへの短期国内留学を経験しています。期間は約2週間でしたが、トップレベルの選手たちと共に練習し、その高い技術や戦術、日々のトレーニングに対するプロフェッショナルな姿勢などを肌で感じることは、非常に貴重な機会となりました。この留学は、所属チームが選手のレベルアップのために設けた機会であり、合澤氏にとって大きな糧となりました。

釜石シーウェイブスでは、同じく岩手県釜石市出身で、後にチームメイトとなる金野新氏らと共に、チームの勝利のために奮闘しました。スクラムハーフは、フォワードとバックスを繋ぎ、試合のテンポをコントロールする重要なポジションです。合澤氏もこの役割を担い、チームの要として活躍しました。

現役引退後の活動

2017年、合澤英旦氏はラグビー選手としてのキャリアに幕を下ろし、現役を引退しました。

選手生活を終えた合澤氏は、ラグビーとは全く異なる新しい分野へと活動の場を移しています。現在は音楽活動に情熱を注いでおり、特に人気ロックバンドWANIMAのライブ活動には積極的に参加するなど、音楽シーンでの活動が知られています。ラグビー選手時代に見せたエネルギッシュな姿勢を、音楽という新たな表現の場で発揮し、セカンドキャリアにおいても精力的に活動を続けています。

合澤英旦氏のラグビー人生は、地元のチームで研鑽を積み、国体出場やトップリーグへの短期留学といった貴重な経験を得たものでした。ラグビーの伝統が息づく釜石の地で育ち、その伝統を受け継ぐチームでプレーした彼のキャリアは、地元のラグビーコミュニティにおいて記憶されるでしょう。現役引退後も、音楽という新たな情熱を追求し続ける彼の姿勢は、多くの人々に影響を与えています。

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